マイナンバー制度のデメリットを洗い出す

マイナンバー制度を知るためにはそのメリットとデメリットをよく理解する必要があります。また、そのメリットを知るには徹底的にデメリットを洗い出すことです。

1.情報漏えいの可能性

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マイナンバーでは社会保障、税、災害対策の分野での効率的な情報管理を目的としています。したがって、マイナンバーには、個人のさまざまな情報が詰まっているといえます。
特に今回のマイナンバー制度では、特定個人情報を特定の機関に集約する「一元管理」方法が採用されず、それぞれの機関がそれぞれの個人情報を管理し必要なときに情報の連係を行う「分散管理」方法が採用されたことで、万が一、いずれかの機関で特定個人情報等が漏洩した場合でも、その被害が限定される可能性が高くなり、デメリットの低減化が図られていると考えられています。
企業もそれを提出する従業員(個人)も一番恐れていることは、その情報が他に漏れてしまうことです。

2.プライバシー侵害の危険性

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個人情報を一括で管理できるということは、逆にいえば情報をまとめて手に入れられるということでもあります。すると、国や自治体が特定の人物の情報を簡単に確認できるようになってしまうので、プライバシーを侵害されるおそれが出てきます。

管理担当者が悪質な人物だった場合には、本来の業務では必要ないはずの情報にまでアクセスされてしまうかもしれません。マイナンバーのデータの運用制限を徹底することが求められます。

外に漏れずとも内部では情報は丸裸になるわけですから、慎重な扱いが要求されます。
国やその情報を取り扱う人に自分の病歴や貯蓄額が知られてしまうのではないかという心配があるようです。
今のところ病歴の記録にマイナンバーが使われる予定はありません。預金口座についてもマイナンバーが適応されていませんので貯蓄額が知られることはありません。

今後の予定として預金口座は2017年にはマイナンバーが適応されますが、既存の預金口座に対してマイナンバーの届け出は任意になっています。
いつの日か義務化されたら、国に自分の所得、預金全て把握されるようになりますね。義務化されるのは遠い未来のような気もしますが。。

現在はプライバシーの侵害の危険性はまだ低いようですが、今後は予断を許しません。

3.マイナンバー導入に伴う初期費用が大きい

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制度導入には多額の初期投資が必要なこと。時事通信は、導入コストについて「システム構築費などの初期費用2700億円に加え、運用開始後も維持費などで年300億円程度が必要になる見通し」(5/2付)と報じています。
どんなシステムでも初期費用はかかりますが、費用に見合うだけのものかどうかは利用する個々の企業努力にもかかってきそうです。
帝国データバンクは5月19日、2016年1月に始まるマイナンバー制度に対する企業の意識調査結果を発表した。

対応における自社コスト負担の額は平均約109万円。従業員数に応じて上昇し、1000人超の企業は平均約581万円となった。

企業の平均費用負担額が出ていますが、これを基準により効率的な導入を検討しましょう。

4.国家による預金封鎖のおそれ

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預金封鎖とは、銀行預金などの金融資産の引き出しを制限すること。ギリシャがデフォルトを起こした時のように、預金を引き出したくても引き出せない状態になることを指す言葉です。
『文藝春秋』2002年12月号にて、1997年に当時の大蔵省内部で預金封鎖の検討が行われた旨の記事が掲載された。また、政府税制調査会は過去何度も納税者番号制度を提唱してきたが、所得に対してではなく金融資産の把握を目的とした内容になっていた。
膨れ上がった国家の債務解消のために、国民の預貯金の数割が強制的にカットされる可能性が高いというのです。
これは恐ろしいことですが実際に起こる可能性は現在は非常に低いですが、国際状況の変化、国内の変化により発生しないとはいいきれないことです。

マイナンバー制度のデメリットまとめ

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マイナンバー導入にあたり、多くの初期費用がかかってしまうことがデメリットとして挙げられます。初期費用は2,000億円〜4,000億円かかるともされており、管理や運用にも多くの費用がかかります。

マイナンバーの導入に伴ってシステムエンジニアが不足することも懸念されており、2015年問題のひとつに挙げられています。7〜8万人のシステムエンジニアが不足するとも言われています。

セキュリティ面も懸念されており、マイナンバー導入以前は複数箇所からの情報漏えいの可能性がありますが、マイナンバー導入以降は一か所から情報漏えいすることで関わる全ての情報が漏えいすることが危惧されています。
複数箇所から漏えいしにくくなる点ではメリットになりますが、一か所から漏れてしまう情報量が多いことがマイナンバーの弱点となります。

以上あげてきたことを含め、デメリットをまとめてみました。ここから派生する問題、新たに発生する問題と予断を許しませんが、政府の対応を最後にみていきます。

※政府のマイナンバーリスク対応策は

事業者のみなさまへ | 特集-マイナンバー :政府広報オンライン (42114)

制度面
・法律に定めがある場合を除き、マイナンバーの収集・保管を禁止しています。
・なりすまし防止のため、マイナンバー収集する際には本人確認が義務付けられています。
・マイナンバーが適切に管理されているかを、特定個人情報保護委委員会という第三者機関が
 監視・監督します。
システム面
・個人情報は従来どおり、年金の情報は年金事務所、税の情報は税務署といったように
 分散して管理します。分散管理することで、芋づる式の情報漏えいを防ぎます。
・行政機関間での情報のやりとりは、マイナンバーを直接使いません。
・システムにアクセス可能な者を制限・管理し、通信する場合は暗号化します。
・平成29年1月から「情報提供等記録開示システム」が稼働予定です。
 マイナンバーを含む自分の個人情報をいつ、誰が、なぜ提供したのか、
 不正・不適切な照会・提供が行われていないかをご自身で確認することが可能になります。