まだまだ個人の間には周知が低いマイナンバー制度。そもそも個人の証明書は運転免許証があるからいいんじゃない、と思っている方も多いはず。しっかりとマイナンバー制度のメリットを知って、開始と同時に恩恵を得られるようにしましょう。また同時にデメリットも知識として知っておきましょう。
1、マイナンバーってそもそも何?
マイナンバーは、日本国内に住民票をもつすべての人に与えられる番号です。ひとりにつきひとつの番号が指定され、また、一度決定したマイナンバーは基本的に生涯変わりません。そのため、番号だけで個人を特定できるようになります。
マイナンバーは、住民票を有する全ての方に1人1つの番号を付して、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるものです。
2、マイナンバー制度のメリット1【公平・公正な社会の実現】
1つめは、所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行えるようになります。(公平・公正な社会の実現)
3、マイナンバー制度のメリット2【国民の利便性の向上】
2つめは、添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ったりできるようになります。(国民の利便性の向上)
マイナンバーによる手続きの簡素化児童手当の現況届…今までは所得証明書や健康保険証のコピーが必要でしたが、マイナンバーの提示だけで手続きができます。
厚生年金の請求…戸籍謄本や世帯全員の住民票が必要でしたが、マイナンバーだけで手続きができます。
【以下は将来的な簡素化(検討段階のものあり)】
電気・ガス・水道とも連携し、マイナンバーだけで住所変更などの手続きが完了します。
金融機関にも利用が広がり、預金口座にマイナンバーが付与されれば、相続手続き時に故人の資産がすぐに把握できます
保険料の納付や納税も、クレジットカードなどで電子決済できるようになります。
株式の配当や売却益の納税手続きを簡単にできるようになります。
マイナンバーカードを健康保険証としても使えるようになります(カルテなど医療情報も検討中)
パスポートの取得や自動車登録の簡素化
4、マイナンバー制度のメリット3【行政の効率化】
3つめは、行政機関や地方公共団体などで、さまざまな情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されるようになります。(行政の効率化)
5、その他の個人にとってのメリットは?
扶養控除の確認は、これまでは氏名や住所でするしかなく、非常に手間のかかる制度でした。
しかし、マイナンバーを利用すれば、簡単に二重申告を発見できるようになり、適正な納税が行えます。配偶者控除とは、配偶者の給与収入が103万円以下の場合に、夫の税金を安くすることが出来る制度です。
今までは、配偶者の所得の「見積額」を書いていました。
実際には103万円を超えてしまうこともあります。
マイナンバー制度では、夫の会社でも配偶者の番号を申告し、配偶者の勤め先でもマイナンバーを申告するので、所得の付け合わせをすることでより適正な納税が行えるようになりました。
マイナンバーは、生活保護費の不正受給を防ぐ効果もあります。
生活保護費の不正受給の手口は、収入があるにもかかわらずそれを隠して無収入と偽り不正に受給するものや、住居を転々とする最中に各自治体で生活保護を申請して不正受給を繰り返す、身分証明書を偽造して別人になりすまして重複受給するものなどありました。
6、企業にとってのメリットは、情報管理の容易化や業務の効率化
2015年9月に株式会社サイバーネットワークスが会員企業271社に対して行った調査では、64%の企業がメリットはないと回答した。
他には、情報管理が楽になるが18%、業務の効率化が16%、コストダウンが1%と続く。
7、念のため知っておく必要のあるデメリットとは?
これらはいいとして、マイナンバーの最大のデメリットで恐ろしいのは、国民の国内財産が正確に把握され、金融所得の課税が一体化し、総合課税が導入される可能性があることです。現在は銀行預金・債券等の利息、株式・投資信託・FX等の利益にかかる税率は、基本的には分離課税で約20%です。いくら稼いでも一律です。究極にフラットでシンプルな税制となっています。
8、企業にとってのデメリットは、情報漏洩のリスクや業務量の増加
2015年9月に株式会社サイバーネットワークスが会員企業271社に対して行った調査では、62%の企業が情報漏洩リスクがあると回答した。
他には、情報漏洩リスクが13%、業務量増加が8%、業務の煩雑化が7%、コスト増加が7%と続く。