企業がマイナンバーを管理するときに生まれる疑問とその答え。

企業がマイナンバーを管理するとき、担当者が選ばれると思います。その人が適任であろうと思って選ばれるだけであって、担当者だって今回のマイナンバー制度は初めてのことなのです。ですから、様々な疑問が生じるのも無理はありません。今回はこういった疑問や、それに対する答えが書かれている記事を集めてみました。

1.マイナンバー業務に関与する社員は限定しないといけませんか?

限定すべきです。マイナンバーの提供を受ける時の本人確認では、いつ・どこで・だれが・どうやって行ったかを記録する必要があります。

また特定個人情報(マイナンバーを含む個人情報)にアクセスできる社員、マイナンバー記載書類を作成できる社員も限定が必要です。

このような観点から、業務フローの見直しが必要なのです。

マイナンバーの情報漏えい対策には、上記のように対応しなければいけないのですね。
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2.特定個人情報ファイルとは何ですか?

A5-6 「特定個人情報」とは、マイナンバー(個人番号)やマイナンバーに対応する符号をその内容に含む個人情報のことです。マイナンバーに対応する符号とは、マイナンバーに対応し、マイナンバーに代わって用いられる番号や記号などで、住民票コード以外のものをいいます。マイナンバーを規則的に変換した番号などが漏えいすれば、マイナンバー自体が漏えいする場合と同様のリスクがあることから、マイナンバーと同様に取り扱うことにしています。
 また、「特定個人情報ファイル」とは、マイナンバーやマイナンバーに対応する符号をその内容に含む個人情報ファイルのことです。民間事業者の場合、個人情報ファイルとは個人情報保護法に定める「個人情報データベース等」と同義です。
政府サイトからの抜粋です。

電子ファイルなら、システムのどのファイルなのか、紙資料ならどのファイルなのかを明確化しておくと良いでしょう。

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3.マイナンバーをメモすることは「収集」に値しますか?

収集  集める意思を持って自己の占有に置くことを意味します。

したがって、マイナンバーを記載したメモを受け取ることや、聞き取ったマイナンバーをメモすることは「収集」にあたりますが、マイナンバーを提示されただけでは「収集」にはあたりません。

「メモを取ること」と「提示してもらうこと」は、「収集」の概念では違うのですね。

担当者は、「マイナンバーは担当する個人番号関係事務以外の目的では収集できない」ということを覚えておき、むやみにメモすることは避けるべきだと思います。

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4.法定保存期限を過ぎてマイナンバー記載書類を保管してもよいですか?

保管とは「自己の勢力範囲内に保持すること」と定義されています。企業は、税と社会保障に関連した事務を行うために、個人番号の提供を求め、収集し、保管することができます。つまり、行政機関等が定める帳票に個人番号を記入して、行政機関等に提出するためには、企業は従業員等からあらかじめマイナンバーを収集し安全に保管しておかなければならないということです。

 従業員が退職したり、社宅の家主さんとの賃貸借契約を解約したりすることで、企業が税あるいは社会保障に関連する事務を行う必要がなくなったならば、企業はマイナンバーを保管しておく理由がなくなります。

 従って、企業はマイナンバーを記載した書類や電磁的記録について、法令において定められている保存期間を経過した時点で、できるだけ速やかに削除するか廃棄しなければなりません。不確定な将来の取引再開時に備えてマイナンバーを保管することは許されません。

「速やかに削除」というのは、「担当者の自己判断の時間内に」ということらしいです。

ちょっと曖昧ですね。

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5. 顧客・取引先のマイナンバーを記載する必要がある書類には、どんなものがあるのでしょう?

企業にとって従業員以外のマイナンバー(個人番号)等が必要となるのは、平成28年1月以降に支払う配当、報酬、家賃等についての法定調書を作成するときです。雇用関係とは異なった注意が必要になります。

【1】従業員以外の取引先等でマイナンバー等の記載が必要となる事項

金融機関を除く一般企業で、給与関係以外でマイナンバー等を記入しなければならない法定調書はおおむね次のとおりです。

・報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
・不動産の使用料等の支払調書
・不動産等の譲受けの対価の支払調書
・不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
・配当、剰余金の分配及び基金利息の支払調書
・配当等とみなす金額に関する支払調書
・匿名組合契約等の利益の分配の支払調書
・非居住者等に支払われる人的役務提供事業の対価の支払調書等

大旨とはいえ、結構な量があります。

これプラス従業員のマイナンバーを記載する書類もあるので、担当者には複数人を選ばなければいけない企業もあるでしょう。

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