マイナンバーは、当面は社会保障・税・災害対策の分野でのみ利用されますが、今後は年金や健康保険、さらに民間利用と拡大されていく予定です。ここでは、マイナンバーの今後の行方について解説します。
マイナンバーの今後の行方
その後はさらに民間企業による利用も予定されています。
2017年1月より「マイナポータル」開設
Q6-1 マイナポータルってなんですか?A6-1 行政機関がマイナンバー(個人番号)の付いた自分の情報をいつ、どことやりとりしたのか確認できるほか、行政機関が保有する自分に関する情報や行政機関から自分に対しての必要なお知らせ情報等を自宅のパソコン等から確認できるものとして整備します。
例えば、各種社会保険料の支払金額や確定申告等を行う際に参考となる情報の入手等が行えるようになる予定です。
また、引越しなどの際の官民横断的な手続のワンストップ化や納税などの決済をキャッシュレスで電子的に行うサービスも検討しています。
なお、なりすましの防止等、情報セキュリティに十分に配慮する必要があることから、マイナポータルを利用する際は、個人番号カードに格納された電子情報とパスワードを組み合わせて確認する公的個人認証を採用し、本人確認を行うための情報としてマイナンバーを用いない仕組みを考えています。(2015年4月回答)
その利便性をさらに拡大するのが、17年から始まる「マイナポータル」である。個人ごとに設けられるマイナポータルは、マイナンバーカードをリーダーに読み込ませて、パスワードを入力して活用する、「官」と「民」とのオンライン情報連携の仕組みである。
自らの特定個人情報の確認や、行政からのさまざまなお知らせを受け取るという機能だけでなく、電子私書箱機能や電子決済機能なども行われる予定で、「官」「民」のサービスの連携が可能となる。
◆マイナポータルとはマイナポータルとは、情報提供等記録開示システムといって自宅のパソコンからインター ネットから閲覧出来、様々な情報を取得出来る個人用サイトです。
平成29年1月の開始を予定しています。個人情報のやりとりの記録が確認出来ます。
1 自分の個人情報をいつ?誰が?なぜ提供したのか確認出来ます。
2 行政機関が持っている自分の個人情報を確認出来ます。
3 行政機関から一人ひとりにあった行政サービスを知らせてくれます。
2017年7月より個人番号カードを健康保険証として利用
「本当にやれるのか不安」医療分野のマイナンバー制度の活用をめぐっては、5月の産業競争力会議で安倍晋三首相が、2020年までに「全国の病院や薬局で、マイナンバー・カードを1枚提示するだけで、健康保険の確認や煩雑な書類記入がなくなうようにする」と発言。
6月に閣議決定された「日本再興戦略」では、2017年7月以降早期に医療保険のオンライン資格確認システムを整備し、個人番号カードを健康保険証として利用できるようにすることや、2018年から医療分野での番号制度を段階的に導入し、2020年までに本格運用することを定めた。
これに対し、健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、「番号制度はどんどん活用すべきだという認識」とした上で、現段階で保険者側にはメリットが乏しいが、国の通知を受けてネットワークの準備をしていると説明。
「市役所に取りに行かないといけないカードで、本当にやれるのか、不安を持ったまま準備をしている。国民全員がカードが欲しいと言っても、対応できるのか。何年にかかるのか」と感想を述べ、国として着実な対応をするよう求めた。
「個人番号カードに健康保険証を取り込む方針」マイナンバーセミナーで向井審議官内閣府大臣官房番号制度担当室長の向井治紀審議官はマイナンバー制度(行政手続き番号法)について、「個人番号カードに健康保険証を早急に取り込んでいく政府の方針は決まっている」と述べた。
(中略)
個人番号カードに内蔵するICチップの空きスペースに健康保険証の記号番号を入れて機能を付加すれば、健康保険組合のある民間企業などの事業所単位で個人番号カードを配るという普及策も考えられる。
2018年以降 マイナンバーの戸籍への適用予定
これにより、出生・死亡、引っ越し、結婚、あるいはパスポート申請、遺産相続といった行政手続きの際に、戸籍謄本などが不要となります。
現行制度では日本の住民票がなくなるとマイナンバーは使えないが、パスポートに適用すれば転勤などで海外に移っても関連サービスを受けられる。居住地域の危険情報などを個別に受け取れるほか、帰国時に電力、ガス会社や金融機関に一括で手続きできるようになる。
行政側も海外在留邦人の安否確認や在外選挙の事務が効率化できる。
政府が、煩雑な行政手続を改善するため、2018年にもマイナンバーを戸籍に適用することを検討していることがわかった。現状では婚姻届や離婚届、パスポートの申請のほか、年金受給申請や遺産相続などの手続きで戸籍情報が必要となるが、マイナンバーを適用することにより将来的にはネット上で手続きを行うことができるようにする見通し。
さらに、預金口座や医療情報へのマイナンバー適用を検討
預貯金口座へのマイナンバーの付番の目的① 預金保険機構等によるペイオフのための預貯金額の合算において、マイナンバーの利用を可能とする。
② 金融機関に対する社会保障制度における資力調査や税務調査でマイナンバーが付された預金情報を効率的に利用できるようにする。
このことにより預金口座開設の際マイナンバーの登録を促されるようになりますが、2018年時点ではマイナンバーの登録は任意で、強制力はありません。
2015年3月10日に国会に提出された「マイナンバー改正法」。この法案は主に個人情報保護法と番号利用法への改正を行うものですが、そのうち番号利用法の改正項目に、「預貯金口座へのマイナンバーの付番」が掲げられているのです。
これは個人の銀行口座をマイナンバーと紐付けることで、その人の資力調査・税務調査に役立てようという目的が法案に明記されています。
この改正法が施行されると、政府は誰がどれだけのお金を貯金しているかが簡単に把握できるようになります。
お金の出入りが正確にわかれば、税金や社会保険料などの正確な徴税が可能になるというわけです。
医療機関で想定されるマイナンバー利用の場面制度スタート時は税・年金分野に限られますが、2017年以降に予定される医療等番号の利用が開始された場合、具体的には医療機関や地域医療連携における次のような場面で、マイナンバーを利用することが想定されています。
(1) 患 者:
医療機関で個人番号カードを提示、登録に必要な基本情報を示して、被保険者のオンライン資格確認を受ける(2) 医療機関:
患者情報に含むマイナンバーを管理し、電子カルテ・レセプト等に当該番号を付加する(3) 医 師:
診療録や処方箋、紹介状にマイナンバーに関連付けられた医師資格情報をリンクさせた署名をする(4) 調剤薬局:
マイナンバー記載の電子処方せんで診療情報を共有でき、調剤業務の効率化と安全で的確な服薬指導を行う