これでもう怖くない、中小企業向けマイナンバーの基礎知識 ⑤

最近は、マイナンバー制度が始まると聞くことが増えていますが、なんか複雑そうと思っていませんか。 なにかとお忙しい中小企業の社長さんが、準備するきっかけになるようにがんばってまとめてみます。 第5弾の今回は、実際にマイナンバーを記載する書類についてです。

健康保険・厚生年金関係は1年延期

マイナンバー 社会保険関連手続のスタートは1年延期 : 労務ドットコムの名南経営による人事労務管理最新情報 (16629)

2016年1月より施行されるマイナンバー制ですが、厚生労働省より健康保険・厚生年金保険関係手続については施行が1年延期され、2017年1月1日からのスタートとなることが発表されました。
社会保障分野のうち雇用保険の届出書等に関しては、平成28年(2016年)1月から個人番号が記載されることになる予定です。これに対して、社会保障分野のうち、健康保険・厚生年金保険関連の届出書等に関しては、平成29年(2017年)1月から個人番号が記載されることになる予定です。

マイナンバーの記載が必要になる時期

2016年(平成28年)1月から開始マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)への対応方針|ソリマチ株式会社 (14844)

Q4-2-1 従業員などのマイナンバー(個人番号)は、いつまでに取得する必要がありますか?
A4-2-1 従業員にマイナンバーが通知されて以降マイナンバーの取得は可能ですが、マイナンバーを記載した法定調書などを行政機関などに提出する時までに取得すればよく、必ずしも平成28年1月のマイナンバーの利用開始に合わせて取得する必要はありません。例えば、給与所得の源泉徴収票であれば、平成28年1月の給与支払いから適用され、中途退職者を除き、平成29年1月末までに提出する源泉徴収票からマイナンバーを記載する必要があります。(2015年4月回答)
社会保障の健康保険・厚生年金分野については、マイナンバー記載が一年延期されることになりました。
企業が従業員の個人番号を必ずしも平成28年1月までに取得しなければならないわけではないと、政府は案内しています。
では、もっとも早期にマイナンバーを記載して提出しないとならない書類は何でしょうか?

可能性が高いのが、雇用保険の書類です。

雇用保険分野の書類 ① 事業主が行うもの

個人番号を記載する様式案(平成27年7月時点の改正案です。) 平成28年1月より使用していただく様式の案となります。

事業主の方が行う手続
被保険者に関する手続
・雇用保険被保険者資格取得届
・ 雇用保険被保険者資格取得届(連記式)総括票 [146KB]
・ 雇用保険被保険者資格取得届(連記式)個人別票 [127KB]
・ 雇用保険被保険者資格取得届光ディスク等提出用総括票 [174KB]
・雇用保険被保険者資格喪失届・氏名変更届 [165KB]
・雇用保険被保険者資格喪失届光ディスク等提出用総括票 [134KB]
※在職者の個人番号についは、現在検討中であり、詳細は追ってご案内することとしています。

個人番号の影響を受ける様式手続■第1回 雇用保険法に関する様式はどのように変わるのか? : 日本法令マイナンバー制度のblog (16557)

個人番号の影響を受ける様式手続■第1回 雇用保険法に関する様式はどのように変わるのか? : 日本法令マイナンバー制度のblog (16559)

雇用保険分野の書類 ② 雇用継続給付関連

雇用継続給付に関する手続※
・ 高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書
・育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
・ 介護休業給付金支給申請書
※事業主が提出する場合には労使間で協定を締結することが必要です。
個人番号の影響を受ける様式手続■第1回 雇用保険法に関する様式はどのように変わるのか? : 日本法令マイナンバー制度のblog (16560)

雇用保険分野の書類 ③ 労働者が行うもの

労働者の方が行う手続
・ 雇用保険被保険者離職票-1・資格喪失確認通知書
・ 教育訓練給付金支給申請書
・教育訓練給付金(第101条の2の7第2号関係)及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
・ 雇用保険日雇労働被保険者資格取得届
・未支給失業等給付請求書

別途、個人番号を登録及び変更する場合に使用する様式
個人番号登録・変更届出書

返戻書類にマイナンバーの記載なし

 今後マイナンバー法施行後は、被保険者番号に加え、マイナンバーを記載する必要があります。
 雇用保険被保険者資格取得手続を行うと、被保険者の情報が記載されている被保険者資格喪失届・氏名変更届の様式が通知され、氏名変更や資格を喪失したときには、この様式を使用することになります。
 被保険者資格喪失届・氏名変更届の様式の通知を受ける際には、
(1)雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)
(2)雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)
(3)雇用保険被保険者証
が、キリトリ線の付いた状態で被保険者資格喪失届・氏名変更届と一緒になっています。
 この雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)、雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)、雇用保険被保険者証には、マイナンバー欄を追加することにはなっていないようであるため、資格取得手続に使用したマイナンバーは、雇用保険の被保険者資格取得の通知には何も反映されない見込みです。
 つまり、雇用保険の被保険者に関する手続きにおいて、行政機関への届出の際には、マイナンバーを記載することはありますが、行政機関から通知を受ける際には、マイナンバーの記載はないということになるようです。

在職者の番号提出は未定

雇用保険の手続きや各種様式の変更点について、厚生労働省ホームページにQ&Aが掲載されていますが、追加・修正された回答を新たに掲載しています。

その中から気になる内容を挙げてみました。

・ 在職者の個人番号を記載する様式にはどのような項目があるのか。また、いつ頃提出することになるのか。
(答)在職者の個人番号については、現在、検討中であり、詳細は追ってご案内することとしています。なお、在職者の個人番号の提出をお願いする場合には、十分な準備期間を設けることとしていますので、平成28 年1月からの提出は求めないこととしています。(下線部が修正)

★在職者の雇用保険に係るマイナンバーの提出手続きについて、急ぐことはなさそうです。

・ 個人番号の届出義務が努力義務であるのであれば、届出をしない場合であっても罰則等の適用はないのか。
(答)雇用保険手続の届出にあたり、個人番号を記載しなかった場合や誤りがあった場合の罰則規定は、雇用保険法上設けられておりませんが、個人番号の記載は番号法上求められている努力義務ですので、御協力・御理解をお願いします。

★マイナンバーを記載しなくても雇用保険上は今のところ罰則はないようです。

ここまでのまとめと次回予告

2016年1月からマイナンバーを記載しないといけない書類は、主に雇用保険関連の書類です。
では、具体的にどのようなところに注意しないといけないか、次回まとめます。

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