マイナンバーを企業で収集する目的とは?

まだ導入されて間もないマイナンバー。そもそもなぜ、企業でマイナンバーを収集する事が義務付けられているのか。収集するに当たってのデメリット等もまとめさせていただきました。

マイナンバーについて

マイナンバー(個人番号)とは、国民一人ひとりが持つ12桁の番号のことです。
マイナンバー制度には「行政の効率化」、「国民の利便性の向上」、「公平・公正な社会の実現」というメリットがあります。

1.行政の効率化
行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されます。

2.国民の利便性の向上
添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。 また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ることができます。

3.公平・公正な社会の実現
所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行うことができます。

簡潔に言い換えると国民1人1人に番号を割り当て、各種の行政実務を円滑にしようという事ですね。
他にも社会保障費の削減、貯金への課税を国が目的としているのではないかという意見もあるようですが、一般的には上記のような目的となっております。

なぜ収集が義務付けられているのか。

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「企業は政府の事務の代行をしています」と聞いても、ピンと来ないのではないでしょうか? では具体的にはどういうことでしょうか。榎並氏によると

「たとえば企業は、『源泉徴収』『社会保険料の個人負担分の代行納付』『雇用保険の個人負担分の代行納付』といった事務を行っています。実はこれらの業務は、政府が個人から直接徴収を行う代わりに企業に納付事務を実施させているのです。これは法律で定められており、企業は政府の事務の実施をすることが義務付けられています。(根拠法:所得税法、厚生年金法、健康保険法、雇用保険徴収法など)」

「これらの事務手続きの際には2016年1月(社会保険は2017年1月から)よりマイナンバーを利用することが求められてきます。そのために企業はマイナンバーを従業員や源泉徴収の対象となる個人取引先などから収集しなくてはなりません。『企業がマイナンバーを扱う』ということは、政府の事務を実施するために扱うことになってくる、ということなのです。法律では、企業を『個人番号関係事務実施者』という言い方をしています」

今まで国税庁や税務署に源泉徴収表や支払調書等を提出する事を義務付けられていましたが、2016年よりマイナンバー制度が導入された事でこれらの書類にマイナンバーを付し提供する事が求められています。
そのため、マイナンバーの収集を行う事となりました。

その結果、デメリットとして個人情報の漏洩や悪用のリスクが大きくなってしまいました。
一方でマイナンバーは法人にも割り当てられており、営業の効率化や情報収集の効率化等のメリットもあると言われていますので、この制度は一概には良し悪しが付けられないですね。

マイナンバーの提出を従業員に拒まれた場合。

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国税庁FAQ
従業員や講演料等の支払先等から個人番号の提供を受けられない場合、どのように対応すればいいですか?
(答)
法定調書作成などに際し、個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番
号を記載しないで書類を提出せず、個人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税
法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。
それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存する
などし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。
経過等の記録がなければ、個人番号の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが判別できません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録をお願いします。
拒否された場合には、まずは相手方に個人番号を記載することが義務であり提供することが
重要であることを説明し、個人番号関連事務実施者として義務を果さすことが重要です。
また、それらの説明や説得の経過を記録し、義務違反でないことを明確にしておかなければなりません。
その上でもなお提供を拒まれた場合には、書類の提出先である行政機関等の指示に従うのが最善となります。

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