たとえ日本人でも、ホームレスの方々にはマイナンバーが通知されないのです……。

ホームレスには住民票が存在しない為、マイナンバーの通知もありません。それによって生じる問題を少し紹介していきます。

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マイナンバーは誰に対して通知されるのでしょうか?

通知カードは、住民の方々にマイナンバーを通知するもので、平成27年10月中旬以降、住民票を有する全ての住民に対し、簡易書留により郵送されます。
「住民票を有する」
という記述と
「住民」(「国民」ではありません)
という記述がポイントです。

つまり……

住民票のある外国人(中期在留者、特別永住者等)にもマイナンバーは通知されます。

一方、マイナンバーを通知されない方々とは??

12桁の識別番号を元に納税、社会保障、災害対策などの行政機関の手続きに使用されるマイナンバー。住民登録をしてある住所に通知カードが届きます。

しかし世の中には住民票がない人、あえて住民登録をせずに暮らしている人、健康的な理由で通知カードを受け取れない人達もいます。

医療施設に長期入院中で通知はがきを受け取れない人。
DV被害、ストーカー被害を免れるために引っ越先に転入届けを提出していない。
東日本大震災により被災し本来の住所とは違う場所に移り住んでいる人。

上記以外の理由でマイナンバーの通知を受け取れない人もいます。ホームレス、浮浪者、ネットカフェ難民など住民票が登録してある住所に住んでいない場合マイナンバーの通知ハガキは届かないでしょう。長年ホームレスを続けている人は住民登録が抹消されている場合もあるし身分証も無いかもしれない。

『自業自得』と言う人もいるかもしれませんが、理不尽な理由や不運が重なってホームレスになった人も多いのでないでしょうか。

他にも様々な理由で住民票を出さずに暮らしている人もいます。借金取りから逃げている人、親と喧嘩して家を出てそれっきりの人、警察に手配されている犯罪者。まんが喫茶やカプセルホテル、簡易宿泊所を住居替りに生活している人も多いでしょう。
マイナンバーは国民一人ひとりに配布されますが、”住民票がある”という但し書きが付きます。

しかし例えばホームレスが日雇いの仕事をする時マイナンバーを雇用主に提出することになったら彼らは生きる手段を失ってしまうのでは?

こういった方々の為に、
「ホームレスなどの方々に限り、被雇用時にマイナンバーの提出を不要とする」
などの法律を、マイナンバー法で定めてほしいですね。
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マイナンバーを持っていないと、働く事も出来なくなるのでしょうか……

来年から、マイナンバーを持っていなかったり、自分のマイナンバーを知らなかったりすると働けなくなるのかな?

支払側は、税務署への申告の時、源泉徴収票や支払調書に支払先のマイナンバーの記載が義務づけられる……ということは、支払側は支払先のマイナンバーがわからないと人件費を経費計上できないことになってしまう。

となると、どんなに短期や少額の仕事であっても、源泉徴収が必要な報酬や料金を受け取る者は支払者にマイナンバーを知らせなければならないわけで、そうなると、番号が漏洩する危険性がものすごく高くなってしまうと思うのだけど、悪用された際の救済措置なんかは、きちんと考えられているんだろうか?

ブラック企業みたいなところで、短期雇用を装ってマイナンバーを収集するなんてこともありそうだ。

うーん、なんか、とっても怖いことになりそう。

浮浪者はマイナンバーは不要ですので、売ろうという人もいてもおかしくありません。ヤクザが浮浪者のマイナンバーを安く買い、企業やその他必要な人間に売るというビジネスはあり得ます。

そもそも、日本に生きているすべての人が、安全確実に、自分のマイナンバーの通知を受け取るなんてことができるのだろうか?

内閣官房のホームページによると、「マイナンバーは、平成27年10月の第1月曜日である5日時点で住民票に記載されている住民に指定され、それ以降、市区町村から住民票の住所に簡易書留で郵送されます。」となっているけれど、いろんな事情で住民票と違うところで生活している人はいっぱいいるわけで、そういう人たちはどうなっちゃうんだろう。

長期入院している一人暮らしの人とかは受け取れないだろうし、その前後には引っ越しもできないことになるんじゃないか?
郵便局員の負担は大変なものになるだろうし、郵便事故だって心配だ。

まぁ、このあたりは、市役所に相談するとか郵便局への届け出とかで対処のしようがあるかもしれないけれど、住民票を移したくても移せない人、居住の実態がないからと住民票を抹消されている人……、いろんな人がいると思う。

ホームレスの人はそもそも住民登録できないから受け取れないだろうし、そうなると、そういう人たちは日雇い労働もできなくなってしまうのだろうか?

DVで住民票を移せない人はどうなっちゃうんだろう?
現在公表されているやりかたで行くのなら、マイナンバーの通知は本人の元には届かず、絶対知られてはいけない人の元に届けられることになってしまうように思われるのだが、そこらへんはちゃんと考えられているのだろうか?

いろいろ考えると、すごく怖い。

本来は、納税や年金といった不正犯罪を防止するための「マイナンバー制度」なのですが、
こういった側面が明るみになってしまえば、別の犯罪が増加してしまい、本末転倒になりそうな気がします……。
私が気になっているマイナンバー制度の問題点の一つは、「ホームレスの人の問題」だ。
 「外国人はどうなるんだ」と言う人がいるが、外国人であっても日本に住んでいればマイナンバーは貰える。逆に日本人でありながらマイナンバーが貰えない人たちがいる。それがホームレスの人たちだ。住民票があることを条件にしているマイナンバー制度では、住居がないホームレスの人たちはマイナンバーを付与されない。しかし本来、ホームレスの人たちこそ、もっともマイナンバーの恩恵を受けるべき人たちである。

「体調が悪いの?なんで?」
「外で寝ているから」
「体調が悪いなら病院へ行け」
「お金がなくて」
「お金がないなら働け」
「仕事がなくて」
「仕事がないならハロワに行け」
「住所がないと駄目だって」
「家がなくて困ってるなら不動産屋に行け」
「保証人がいなくて」
「家族や知人に頼め」
「家族も知人もいなくて」
「区役所に行け。生活保護の申請に行け」
「生活保護の不正受給事件以来、審査が厳しくなっていて」

ホームレスの人の問題ほど「ワンストップ」による解決が望まれる問題もない。ホームレスの人ほど「社会保障」を必要としている人はいない。ホームレスの人が「体調が悪い」と言うと「体のことだったら病院へ行け」と言う人が多くいるが、ホームレスの人の健康の問題は、住居の問題、経済的な問題、衣服の問題、日々の食べ物の問題、家族や知人等人間関係の問題、さらには精神的な問題に至るまで、複合的な問題が絡みあって起きている。「精神的な悩みならカウンセリングに行け」とか、そのような一言で解決するような問題ではない。

 ホームレスの人「住民票が欲しいのですが」
 役所の人「では、本人確認ができるものをお持ちですか?例えばマイナンバーカードとか」
となったらギャグみたいだ。

 社会的リソースが豊かな人たちは、役所までは車で往復すればいいのであって、ワンストップによる解決が最も望まれるホームレスの人たちに、マイナンバーを割り当てる方法を国は考えるべきだと思う。

上記のような事が、ギャグではなくリアルに起こりそうな気がしますね……。
●ホームレスは?
 ところで気になることがあります。
 それは、上記、通知カードは全世帯に届くと書きましたが、それは私たちが住民票をもっているからです。では、住民票をもたない人たち、たとえばホームレスはどうなるのでしょう。
 内閣府のマイナンバー・コールセンターに尋ねると「住民票のない方々には送りません。ホームレス対策は考えておりません」との回答。

 個人番号カードを使いたくないという人ももちろんいるでしょう。

 ただし、もし、生活保護申請で、役所が「個人番号を教えてください」と言われたとき、カードを持たないホームレスが申請できないこともありえるわけです(このへんは、カードがなくても申請できる可能性もあるのでまだ断言はしませんが)。

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