会社は従業員のマイナンバーを集めなければならないわけですが、集める際にどのようなことに注意しなければならないのでしょうか?また、集める範囲と提出を拒否された場合についてもまとめました。
利用目的を従業員にはっきりと示しましょう!
マイナンバーを従業員から提供してもらうためには、まず、事前に利用目的をはっきりと示さなければいけません。これは個人情報保護法の第18条に規定されているルールですので、企業は遵守する必要があります。また、一度取得したマイナンバーであっても、当初通知した目的とは別の用途に使いたいときは、再度利用目的を追加して通知しなければいけません。たとえば子会社に出向した従業員については、出向先で再度取得し直さなければいけないということです。
会社が利用目的をはっきりと示したうえで従業員のマイナンバーを集めて運用していくこととなります。
マイナンバーについて従業員に知らせておくべきこと。
、「役所から通知がきたけど、マイナンバーって何?」と言われる方も少なくありません。年金手帳ですら紛失してしまう方も多い中で、「よくわからない役所の紙などいらない」と、捨ててしまう方も必ずいらっしゃいます。・通知されたカードを捨てないできちんと保管すること
・誰にも見せたり教えたりしないこと
・電話で聞いてくる人は、全員詐欺であること。を従業員の方にきちんと教えることは必要です。これだけは急いでやりましょう。
漏洩してしまう一番の原因は、意外と本人にあるという事なので安易に人に教えたりしないような徹底教育をしましょう。
従業員の扶養親族のマイナンバーも集めましょう。
マイナンバーは従業員から集めるのは当然ですが、実は扶養親族分の収集も必要になってきます。意外とこれが浸透していません。「自分の会社は社員5人しかいないから5人分集めれば大丈夫」と思っている方が多いからです。しかしながら実のところは、税金に関わることもあるため扶養親族の分の収集も必要になります。
ちなみに扶養親族とは、
6親等内の血族か3親等内の姻族であること
同一生計であること
合計所得金額が38万円以下であること
が条件であり、血縁関係になくとも扶養親族と認められる場合があります。
必要最低限のマイナンバーの取り扱いを会社ではするようにしてください。
本人確認も同時に行いましょう。
本人確認に必要な書類は、
•従業員や取引先、株主本人の場合は以下のいずれか
①個人番号カードの提出(2016年1月以降であれば)
②通知カードと運転免許証あるいはパスポートなどの提出
③住民票の写しと運転免許証あるいはパスポートなどの提出
手間がかかりますが、これは義務なので、必ず行わなければなりません。
新規従業員の場合は、本人確認を合わせて行ってください。
従業員からマイナンバーの提出を拒否されたら?
個人番号の記載は、法令で定められた義務であることを説明し、提供を求めてください。それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。
なお、平成27年12月以前に扶養控除等申告書の提出を求める場合には、法令上、当該申告書には個人番号の記載義務がありませんので、個人番号の提供を拒否された場合であっても、その経過等を記録する必要はありません。
会社への提出は義務ですが、提出を強制させることが出来ないのも事実です。
提出を拒否した従業員はどうなる?
その場合、従業員に対して罰則などはあるのでしょうか?
法律が義務付けているのは、会社が役所に提出する書類にマイナンバーを記載することだけで、個人が会社にマイナンバーを教えることまでは義務付けていないから。そのため、会社はマイナンバーの提出を拒否した従業員に対して、査定でのマイナス評価や処罰を与えることはできません。
まとめ
まずは、最初の「集める」作業を滞りなく行いましょう。
○集める
・利用目的の通知
・マイナンバーを集める
・本人確認する○守る
・管理体制を確認する
・セキュリティを見直す○出す
・書類を作り役所へ出す
・役所に出す可能性がある書類を従業員へ渡す