気になる中小企業のマイナンバー取り組みの実態と対策情報

10月から始まるマイナンバー制度ですが、中小企業では導入に遅れが目立ちます。その課題と、基本的な対策を探ります。

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いよいよ始まったマイナンバー制度ですが、中小企業ではまだ受け入れ態勢が整っていないと言う話を多く聞きます。
そんなマイナンバー制度の実態と、その状況に対処するための方法を探ります。

実は7割の企業で対策が進んでいないと言うアンケート調査も!

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中小企業、特に地方起業のマイナンバー対策は遅れています。全国で開かれた中小企業向けのセミナーでそのことが明らかに……

 10月、いよいよマイナンバ―の配布が始まります。しかし、特に中小企業にはマイナンバ―制への対応が進んでいないところも多いように見受けれられます。

9月1日の日本経済新聞朝刊に、マイナンバー関連記事として「中小の7割、対策未着手」という見出しの記事が掲載されました。

ここまで遅れていると言うのは衝撃的ですね。データの根拠となっているのが、JIPDEC・日本商工会議所共催のセミナーのアンケート結果ですが、記述回答欄にはこんな事も書かれていました。
 アンケートの記述回答では、「経営層や上司が関心を持たず、重要性を理解してもらえない」「不明点があっても相談相手がいない」などといった声も寄せられ、マイナンバー対応担当者が準備を進めるにあたって社内の協力を得にくい状況に置かれているケースも考えられます。
中小企業の内部でも、温度差がある事が良く分かります。

それでも罰則は待ってくれない!!

マイナンバーの不正利用には大きな罰則が待っている

マイナンバーの不正利用には大きな罰則が待っている

マイナンバーには厳密な規定があり、法律に違反すると最大200万円以下の罰金が発生する可能性があります。
近年何かと話題になる情報漏えいですが、マイナンバーの情報が流出した場合も罰則に問われる可能性があるため注意が必要です。個人情報の流出にも直結するため、損害賠償などのリスクもあるのです。

マイナンバーについて知らなければいけないのは全社員!!

マイナンバー法は個人情報保護法の特別法という位置づけです。個人情報保護法の場合は、実質5000人超の個人情報をもつ事業者のみが対象になりましたが、マイナンバー法では「ほぼすべての事業者」が対象となります。社員1人1人が個人情報に対する最低限の知識を持ち、マイナンバーを会社に提出することに、安心感を持ってもらうことが重要と思われます。
前述の中小企業向けセミナーのアンケート結果に、経営者側や上司が理解を示してくれないと言う記述がありましたが、マインナンバーの最低限の知識は、会社に関わる全ての人が持たなけれならないものなのです。
ちょっとした管理ミスが情報流出に繋がり、企業に大きなダメージを与えることも考えられます。

全国でマイナンバーのセミナーが開催中!!

中小企業向けにマイナンバーのセミナーを行っている会社も多く、無料でセミナーの動画を公開している企業もあります。少しでも情報を社内の人間と共有し、運用リスクを減らす事が重要です。

NTT東日本 | オンラインセミナー | マイナンバー制度 徹底攻略

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無料で受けられるのはうれしいですね。

マイナンバー 関連セミナー一覧 | 「マイナンバー制度」企業の対応まとめ! | 大塚商会

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大塚商会が主催するマイナンバー関連のセミナーをご紹介します。全国各地で開催していますので、お気軽にご参加ください。
全国各地でセミナーが開かれます。

外注で引き受けてくれる企業も多数!

制度の導入に際して人事労務担当者が行うことは、回収、登録、保管、運用の4つあります。それぞれ実施するまでに準備が必要で、計画的なスケジュールを組むことが重要です。
マイナンバーは計画的な導入が必要な一方、早めの対応が迫られるためアウトソースで頼むのも一つの解決策です。外注先を一覧化しているサイトも出てきています。
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マイナンバーに対応するためには多くの手間がかかります。

既存システムとマイナンバー対応のシステムが一致しないこともあるため、外注の方がコストが安くなる時もあり、積極的な活用も解決策の一つになります。

知り合いが詳しいからと個人に頼むとこんなケースも……

従業員以外、たとえば個人のデザイナーの方にイラストの作成をお願いした場合はどうでしょうか?

実は、この場合も「その方のマイナンバーを確認し、税務署に提出する支払調書に記載する必要がありますのでご注意ください。

個人に技術対応などをお願いし、システムの構築やコンサルティングをお願いした場合は、報酬の支払いのために相手のマイナンバーを確認し、各種書類手続きや税務署などへ申告が必要になります。

退職者のマイナンバーは廃棄義務もある事に注意

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運用のシステムだけを任せても、廃棄業務の請負がない所に頼んでしまうと、思わぬ落とし穴にはまる事も。

番号法第19条に限定的に定められた場合を除いて、他人のマイナンバーを収集または保管することはできません。一般的な企業においては、「個人番号関係事務」を処理するために必要がある場合に限り、従業員等のマイナンバーを収集・保管することができます。

特に留意すべき点は、マイナンバーを利用して行う事務を処理する必要がなくなった場合で、書類の法定保存期間を経過した場合には、マイナンバーをできるだけ速やかに廃棄または削除しなければならない、とされている点です。

マイナンバーが記載された書類の保管は必要最低限とされており、保管期限を過ぎたり、不要になった書類は復元出来ないようにして処分する必要があります。
書類の処分が不十分でマイナンバーの漏洩が起きた場合は刑事罰が科せられる場合がありますので、これからシュレッダーを導入される方も、これを機にシュレッダーの買い替えを検討されている方も、この記事を読んでマイナンバー制度の施工に備えましょう
データの削除だけでなく、書類もマイナンバーの流出が無いように処分することが重要です。

外注を行った際も、範囲に限りがある場合があるので注意が必要

対策の時間がない場合はマイナンバー関連の業務を委託することは有用な解決策です。
しかし、外注先にどの部分からどの部分までを行うかと言う区分が明確になっており、データの廃棄などを含めた総合的な業務を行っているかは企業や契約形態によって異なります。
また、外注を行ったとしても、社内にマイナンバーを記載した書類が残っていれば情報漏えいの引き金ともなりかねません。外注などのサービス導入の際は、運用実態や準備状況に沿ったコンサルティングを入念に受けることや、相手任せにせず、カバーできていない部分がないかチェックする知識が必要になります。

2016年1月から導入される予定の「社会保障・税番号制度」(通称、マイナンバー制度)だが、民間への利用範囲の拡大は2019年を目処に検討が開始されるとしている。
今後も制度の改革や利用範囲の広がりが予想されるため、常に新しい情報を取り込んでいく必要があるのです。

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