富山県でもマイナンバーを提出する手続きが社会保険労務士会によって行われたと報道されています。富山県で行われたのは育児休業給付に関する手続きのようです。育児休業の手続きにもマイナンバーが必要とされます。育児休業はついつい企業がおろそかにしがちなテーマなので今回マイナンバー制度が導入されたことを機に育児休業についても振り返ってみましょう。
1月4日、富山市のハローワークで社労士が育児休業の給付申請!
富山市では社会保険労務士が12桁のマイナンバーを記入した書類の届け出を行い、制度の開始をPRしました。富山市にあるハローワーク富山では、社会保険労務士がマイナンバーを記入した、育児休業の給付申請を行いました。
今月からスタートしたマイナンバー制度では、雇用保険や年金などの手続きにおいて12桁のマイナンバーを記入する必要があります。
育児休業は就業規則に規定しなければならない?
労働基準法では就業規則の作成に際し、第89条第1号から第3号までに定められている事項(始 業・終業の時刻、休日、休暇、賃金、昇給、退職等に関する、いわゆる絶対的必要記載事項)につい て必ず記載しなければならないとしています。
賃金に関する事項については、
1 育児・介護休業期間、子の看護休暇及び介護休暇中の賃金の支払の有無
2 育児・介護休業期間、子の看護休暇及び介護休暇中並びに所定労働時間の短縮措置等が講じ
られた期間中に通常の就労時と異なる賃金が支払われる場合には、 a その決定、計算及びその支払方法
b 賃金の締切り及び支払時期 について記載する必要があります。
育児休業については、対象となる労働者の範囲などの付与要件や育児休業取得に必要な手続き、休業期間などを就業規則に記載することが必要とされていますが、これらの事項は育児・介護休業法においても具体的に定められているので、就業規則に法の定めるところにより育児休業を与える旨の定めがあれば、記載義務は満たしているものと解釈されています。
育児休業給付を受けるには?
育児休業給付金の手続きは、大きく分けて2つのパターンがあります。会社が本人の代わりに手続きするパターン
書類は会社が用意して、手続きは本人が行うパターン
初回申請手続きは、下記に記載しています「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書と育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」をハローワークに提出する必要があります。ですので、ハローワークでは事業主からの手続きを推奨しています。
本人が手続きするのであれば、「育児休業給付金」の申請書と「受給資格確認票」を会社に提出し、承諾をもらってからハローワーク(公務員の方は共済)に提出しましょう。会社が手続きをしてくれる場合は、「育児休業給付金」の申請書と「受給資格確認票」を会社に提出すれば完了です。
育児休業給付手続きでマイナンバーが必要な書類は?
マイナンバーの記載が必要な届出は次のとおりです。1 事業主が個人番号関係事務実施者として提出するもの(事業主において本人確認を行うもの)
a 雇用保険被保険者資格取得届 b 雇用保険被保険者資格喪失届2 事業主が従業員の代理人(※)として提出するもの(ハローワークにおいて本人確認を行うもの)
c 高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書
d 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
e 介護休業給付金支給申請書
書類の保管義務について
雇用保険業務において、2016年1月からマイナンバー(個人番号)が必要となる手続きは次の5つです。1.雇用保険被保険者資格取得届
2.雇用保険被保険者資格喪失届
3.高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書
4.育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
5.介護休業給付金支給申請書
それぞれの手続き後にハローワークから交付される事業主控書類には、マイナンバーの記載はありません。
したがって、マイナンバーが記載されている雇用保険手続き書類で事業主の保管義務があるものは、今のところありません。
仮に、事業主の判断で届出書類の写しを保管する場合は、番号法に則った十分な安全管理措置が必要となりますので、くれぐれもご注意ください。