そもそも法人番号って何?
マイナンバー制度は、国民一人ひとりに番号を割り振って、所得や納税実績、社会保障に関して一元的に管理するというものだ。今年5月に「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)が成立したが、もっぱら個人を対象とした制度として話題となっていた。だが、この制度は個人だけでなく法人も対象としている。マイナンバー法の58条では「国税庁長官は、法人等に法人番号を通知する」と規定され、法人番号の付番対象が次のように列記されている。
(1)国の機関および地方公共団体、(2)登記所の登記簿に記録された法人等、(3)法令等の規定に基づき登記のない法人、(4)国税・地方税の申告・納税義務、源泉徴収義務、特別徴収義務、法定調書の提出義務を有する、または法定調書の提出対象となる取引を行う法人、である。要するに、一般企業はすべて法人番号が付く対象となるのだ。
法人番号が指定されるのは、法人税・消費税の申告納税義務がある団体、
所得税の源泉徴収義務がある日本で登記されている法人全てです。また、税務署長等に申告書・届出書等の書類を提出する団体や、
これらの書類の提出者から記載する必要があるとして
法人番号の提供を求められる団体に該当する場合も該当します。法人の支店や事業所、個人事業主などには法人番号は発行されません。
法人番号の目的とメリット
法人番号には大きく分けて2つの特徴があります。1つ目は、番号法の中で個人番号の利用範囲が「社会保障」「税」「災害対策」の3つの分野と規定されているのに対して、法人番号は利用範囲の規定がなく、民間企業の幅広い分野で活用が期待できます。2つ目は、個人番号が社会保障・税等の業務に用いられる以外では原則として他人に公開されないのに対して、法人番号は「商号」または「名称と本店」、もしくは主たる事業所の所在地の情報とともに、国税庁の法人番号公表サイトで公表されます。この2つの特徴から、官民問わず様々な領域や用途で法人番号の活用が期待できます。
法人番号の利用範囲
法人番号は、主に税分野の手続において利用します。
法人税の申告の場合では、平成28年1月以降に開始する事業年度にかかわる申告から
法人番号を記載することになります。こちらは、個人番号と違い、プライバシー保護など利用範囲の制約がありませんので、
誰でも自由に利用することができます。
今後は順次公開され、インターネット等を通じて活用する動きが強くなるようです。
法人番号の通知
平成27年10月から法人の皆さまに法人番号などを記載した通知書の送付を開始する予定です。※番号の通知は、登記上の所在地へ行われますので、所在地情報の変更手続を行っていない場合、変更前の所在地に通知されてしまいますのでご注意ください。
法人番号の公表
法人番号の指定を受けた団体の商号又は名称、本店又は主たる事務所の所在地及び法人番号の基本3情報は、原則としてインターネットを通じて公表します。どなたでも利用していただける「国税庁法人番号公表サイト」を平成27年10月5日に開設しました。
法人番号は、名称・所在地と共にインターネット上で公表され、データダウンロードも可能です。
・ 出張先で、自社の法人番号を確認したい
・ 新たな取引先の法人番号を確認したい
・ 取引先から提出された書類に記載された法人番号に間違いがないか確認したいといった様々な場面で、どなたでも利用していただける機能です。
その目的や違いを解説します。