春に新入社員を迎える事業所も多いことでしょう。また、定年や契約期間の終了、中途で退職する従業員もいます。こうした場合にも、マイナンバーの取り扱いが必要になります。実際に行わなければならないことや、注意すべき点を確認しておきましょう。
従業員が入社したら
従業員が入社したら、まずマイナンバーを所得しましょう。
企業は健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届、雇用保険の被保険者資格取得およびそれらに添付する書類を作成し、健康保険組合やハローワークなどに所定の期限まで提出しなければなりません。これらの提出書類のうち、健康保険・厚生年金保険でのマイナンバー利用は2017年1月からなので、入社する従業員のマイナンバーを記載して提出するのは雇用保険被保険者資格取得届のみとなります。
入社時の事務フローにマイナンバー提出を組み込む
新入社員・中途採用者からは、入社時にマイナンバーの提出を受ける必要があります。入社時の必要書類に、個人番号提出書などと本人確認書類の提出を含めておくことが求められます。この点は、就業規則で入社時の提出書類を定めた条項に組み込んでもよいでしょう。
たとえ短期のアルバイトや1日だけの雇用であっても、マイナンバーの取得は必要です。
また、取得の目的を知らせ、個人番号カード、または通知カードと免許証などの写真付き身分証明書で、番号確認と本人確認を行って下さい。
また、取得の目的を知らせ、個人番号カード、または通知カードと免許証などの写真付き身分証明書で、番号確認と本人確認を行って下さい。
via www.ppc.go.jp
内定者のマイナンバーは取得してもいい?
採用が決定した内定者は、まだ正式な従業員ではありませんので、マイナンバーの取得は入社するまでできません。けれども、入社後速やかにマイナンバー関連の書類を提出してもらえるように通知しておく必要があります。ちなみに、試用期間内でもマイナンバー法の上では、正式な従業員ですから、入社初日からマイナンバーの取得が可能です。
保管・管理は厳重に
それまで在籍している従業員と、取り扱いは同様です。
マイナンバーが漏洩しないように、書類を取扱者と責任者以外に見られないように注意するなど、キュリティには万全を期して下さい。
マイナンバーが漏洩しないように、書類を取扱者と責任者以外に見られないように注意するなど、キュリティには万全を期して下さい。
https://www.mirasapo.jp/mynumber/files/mynum_guidbk.pdf
中小企業・小規模事業者のマイナンバーアクション
従業員が退職する時は
定年や契約期間の終了などで、従業員が退職する場合にも、関係する書類にマイナンバーを記載する必要があります。また、書類によって保管期間が決められています。
マイナンバーに関係する書類と保存期間
・属する年の翌年1月11日から7年間
給与所得者の扶養控除等申告書
源泉徴収簿
・退職から4年間
雇用保険資格取得確認通知書
雇用保険被保険者離職証明書
・退職から3年間
労災保険に関する書類
・退職日等から2年間
健康保険・厚生年金保険 資格取得確認通知書
健康保険・厚生年金保険 資格喪失確認通知書マイナンバーを削除すれば通常の個人情報として保管は可能です。
退職日後も情報を保管・管理したい場合は、マイナンバーの部分だけを削除して下さい。
退職時の本人確認は、マイナンバーが間違っていないか、過去の書類で確認することで対応できます。
また、退職者のマイナンバーは、法令で定められている保管期間を過ぎて保管しておくことはできません。できるだけ速やかに破棄しましょう。
マイナンバー廃棄の方法
たとえば通知カードや個人カードのコピーをとっていた場合は紙媒体で保管していることになります。紙媒体を廃棄するためには償却や融解があげられます。また復元できない程度に裁断できるシュレッダーも廃棄手段として有効です。次にデータで保管している場合を考えてみましょう。特定個人情報データを保存している電子媒体や機器等は、削除専用のソフトウエアを使用することや、物理的に破棄する手段があります。またデータ復元用システムといった専用の装置を用いなければ復元できない場合、容易に復元できない手段だと考えることができます。
さらにマイナンバー制度では廃棄削除するだけでは事足りず、その事実を記録しておく作業も必要となります。廃棄削除に関する内容として、廃棄した特定個人情報の書類名称、部数、担当者名、廃棄手段などを記載します。記録内容にマイナンバーを記載したり転記したりすることのないように注意します。
年度の変わり目に向かって、従業員の動きが出てくる時期です。
マイナンバーの取り扱いについてもう一度よく確認して、間違いのないようにしましょう。
マイナンバーの取り扱いについてもう一度よく確認して、間違いのないようにしましょう。