2016年1月に始まったマイナンバーは個人だけでなく、企業にも従業員のマイナンバーを管理・運用する責任が発生します。それでは、実際に企業がマイナンバーにどう対応したらいいか確認しましょう。
via jisin.jp
民間企業に発生する2つの業務とは?
平成28年1月より、マイナンバー制度の運用がスタートします。マイナンバーの利用範囲は法令で制限されていますが、その適用対象には、社会保障関係や税金関係の事務手続きも含まれています。これらは、民間事業者にとっても無関係ではありません。従業員の源泉徴収を行ったり被保険者資格の申請を行うのは、事業者だからです。
企業は従業員とその家族からマイナンバーを集めて、管理する必要があります。
企業が対応すべきこと「取得・収集」
2016年1月以降、源泉徴収票や支払調書の発行、社会保険や税の手続きにおいて、マイナンバーの印字・提出が必要となります。
そのために、企業は従業員や従業員の扶養家族、弁護士や税理士等の個人取引先、
株主からマイナンバーを収集する必要があります。
正社員だけではなくてパートやアルバイトも、本人だけではなく扶養家族のマイナンバーを収集しないといけないことに注意しないといけません。
事業者のマイナンバーで負担はどれくらいか?
マイナンバー制度について、「内容も含めて知っている」という企業は75.0%。4月調査時点と比較して31.5ポイント増加しており、制度の理解は浸透してきている。しかし、従業員数が「5人以下」の企業では5割台にとどまるマイナンバー制度への対応を完了した(あるいは進めている)企業は7割超。対応の進捗率も平均47.6%となり、4月調査時点と比較して38.7ポイント上昇。ただし、対応を完了した企業は6.4%と依然として1割を下回る状況が続いている
マイナンバー制度へのコスト負担額は1社当たり約61万円と推計される。対応が徐々に進むにつれ、費用面での不安も低下していることは好材料と言える
こちらは、2015年10月19日~31日の帝国データバンクの全国意識調査ですが、今年4月時点で全国2万3211社を対象に行われた時は、コスト負担額は1社あたり109万円にも上ると推計されていたので、ずいぶんと落ち着いてきました。
via news.mynavi.jp
企業が行うセキュリティ対策~情報漏えいが起こる前に備えるべきこと。
以前から、マイナンバーと同じレベルの重要な個人情報を取り扱っている企業も多いかと思いますが、今回、そこに個人番号(マイナンバー)が追加となり、より一層その取り扱いが注目されてきています。あるデータによると、情報漏えいの8割以上が内部からの流出だそうです。情報漏えいが起こると、事後対応は当然のこと、企業イメージのダウンにつながるため、今回のマイナンバー制度の開始を機に個人情報の取り扱いを見直す必要があります。
マイナンバーを管理することで情報漏洩のリスクは増えて、今まで以上に個人情報の取り扱いの負担は増えてきます。
個人情報保護法とは比べものにならないほどに重いマイナンバーの罰則規定
事業者が対象になりうる罰則は以下のとおりです。
1. 特定個人情報等を不正に漏えいした者に対する罰則
2. 不正な手段を用いて個人番号を取得した者に対する罰則
3. 個人情報保護委員会の監督・指導に反した者に対する罰則
4. 使用人等に対する監督責任を怠った法人等に対する罰則
故意に行ったかがポイントで、過失の情報漏えいは対象になりません。ただし、個人情報保護法は監督官庁から勧告あり従わないと罰則が科せられる「間接罰」が採用されていますが、マイナンバーでは故意に不正行為を行った場合は直ちに刑事罰を科す「直接罰」が採用されています。
via www.cas.go.jp
厳罰化に要注意!マイナンバー制度が企業に与えるインパクトセキュリティ強化の起爆剤となるか!?:JBpress(日本ビジネスプレス)
個人情報保護法や不正競争防止法の事前事後対応など企業における情報管理の在り方を法務の観点からサポートしているTMI総合法律事務所の弁護士・米山 貴志氏に、マイナンバー制度の意義や罰則の考え方、強化すべき安全管理措置の具体的な対策などについて聞いた。
個人情報保護法との違いを理解しないといけません。
マイナンバーで摘発 「社会保険料未納」75万社倒産の“流れ弾” プレジデント・マネーNEWS【53】:PRESIDENT Online – プレジデント
社会保険に加入すべきなのに事業所が加入させない。そんな人が約200万人いる。国がもしマイナンバーを駆使し徴収に乗り出したら……。
中小・零細企業にとってマイナンバーで忘れてはならないリスクが、「社会保険料未納」問題です。
本来納めなければいけない社会保険料ですが、全国で約75万カ所の事業所が厚生年金に加入していない現状があります。
しかし、政府がことを急いで摘発に乗り出せば倒産ラッシュが訪れる可能性もあります。
本来納めなければいけない社会保険料ですが、全国で約75万カ所の事業所が厚生年金に加入していない現状があります。
しかし、政府がことを急いで摘発に乗り出せば倒産ラッシュが訪れる可能性もあります。
マイナンバー 朗報!事業者も要らない・各省庁がお墨付き 最善の対策は何もしないこと: 街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋
今日の結論。中小零細事業者にとって、最善の『マイナンバー』対策は、何もしないことである。従業員の方は、是非、雇い主に教えてあげましょう。
ネットでは2015年11月ごろから、企業のマイナンバー対策について「最善の対策は何もしないこと」ということが話題に上った。
マイナンバー対応、企業の実情 – マイナンバー「対応せずとも罰則なし」?対応しない企業は番号法違反:ITpro
マイナンバー制度は複雑な仕組みだけに、まだ誤解も少なくない。最近では「従業員らのマイナンバーを収集・管理しなくても、罰則はないので何も対応しなくてもいい」という誤解が広がった。一方で、日本経団連は2015年11月に「個人番号の利用による官民データ連携」を要望する提言を公表した。関係者に真相を聞いた。
国税の手続きでマイナンバーを書いていなければ、番号法と税法違反ということで、国税庁から指摘される可能性はあるので、企業は責任を持った対応を迫られます。
中小企業にとっても避けて通れないマイナンバー
マイナンバーが個人だけではなく、企業にとっても収集・管理することが必須になる時代がやってきました。
中小企業にとって管理コストのアップは頭の痛い話ですが、専任の担当者をおくことができる企業も限られてきます。
政府の窓口に問い合わせることや税理士など専門家に相談するなどして、最新の情報を取り入れる努力が経営者にも従業員にも求められるでしょう。
知らなかったではすまされません。
中小企業にとって管理コストのアップは頭の痛い話ですが、専任の担当者をおくことができる企業も限られてきます。
政府の窓口に問い合わせることや税理士など専門家に相談するなどして、最新の情報を取り入れる努力が経営者にも従業員にも求められるでしょう。
知らなかったではすまされません。