個人番号カードを身分証明書として使うという案があります。このカードは証明書に成り得るのでしょうか?メリットなどネットの声をまとめてみました。
政府が個人番号カードを身分証明書にしたい理由は?
○個人番号カードの取得促進に向けた準備個人番号カードの普及がマイナンバー制度の成否を左右するものとして、個人番号カードの無料交付のための予算措置を講じたところ。
現在、内閣官房IT総合戦略室を中心に個人番号カードを国家公務員ICカード身分証として利用する方向で各府省と調整中のほか、健康保険証としての利用も検討しており具体的な方針が固まった時点で各共済へは改めて説明させていただく予定。
まずは、国家公務員が率先して取得する観点から、各府省の機関や部門ごとに個人番号カードの取得申請書を取りまとめて申請するなどできないか、検討していただきたい。やはり、「身分証明書にする」は、個人番号カードの普及が最大の目的だったようです。
提言は、「マイナンバー制度への期待と課題として」(140ページ)社会保障や税の各種手続きでの本人確認、各種利便性の高いオンラインサービスでの認証手段となる「個人番号カード」を広く国民に持ってもらうことが必要不可欠な大前提であるが、政府の現状の取組みは、住基カードが普及しなかった失敗の二の舞を確信させられるものである。
政府に対して、住基カードが普及しなかった反省の上に立った個人番号カードの普及策の実現を強く求める。仮に、個人番号カードを普及させる確実な手立てを講じられないのであれば、マイナンバー制度の施行は凍結するぺきである。と厳しく述べた後、「官民の各種カードの機能一元化」として
国や地方公共団体が発行するカード(印鑑登録カード、施設使用カード、職員身分証明書等)は、順次個人番号カードに置き換えること。個人番号カードの普及に資する民間事業者のICチップの空き領域の利用を解禁すること。社員証、学生証、診察券、金融機関のキャッシュカード等に利用できるようにすること。
としています。
ネットでの反応は?
『無闇に持ち歩いてはいけ無い』性質のマイナンバーカードをここまで執拗に『有効利用』したがるの、本当に意味わかんない。
— ゆんゆん探偵 (@yunyundetective) October 13, 2015
東京新聞:マイナンバーご注意!カード作成急がず考えて 「上智大の田島泰彦教授(情報法)は『身分証明書として個人番号カードを使うと、情報流出やなりすましなど経済的な不正利用の可能性が高まるので作らない方がいい』と言い切る。」 https://t.co/bj6VB1ZDgo
— SEALDs (@SEALDs_jpn) October 12, 2015
中国の検索サイト「百度」での検索結果についてのツイートがありました。
マイナンバーか。。。中国で身分証明書番号はあるが、百度で身分証で画像検索すると身分証明書番号も含め晒されておる pic.twitter.com/4kbhll0uaz
— 山谷剛史「中国のインターネット史」発売中 (@YamayaT) October 9, 2015
知られてはいけない番号を人に見せるための身分証明書にすることには反対意見が圧倒的に多いです。
カードにするリスク
マイナンバーは、個人の収入や社会保険の加入状況などのデーターベースに紐付けされているもので、悪意を持った者に知られると、マイナンバーをキーとして個人情報を興味本位で収集されてしまいます。最悪の場合、入手された個人情報を売買され、なりすましによって年金などの社会保険給付をかってに受給されてしまうリスクもあります。
幸いマイナンバーは、マイナンバーカードの裏面に記載されているので、裏面が露出しないようにケースに入れて身分証明書として使えば、マイナンバーを他人に知られることはありません。
しかしレンタルビデオ店等で、「コピー取らせて頂きます」と言われて店の奥に持って行かれたら、マイナンバーの流出を防ぐ手立てはありませんよね。
健康保険証代わりに使うとなれば、病院などでも同様の問題が起こりえますね。
住基カードがなくなる
公的身分証明書として住基カード長年つかってきたけど、マイナンバーのカードに統一されるらしくって、えっそうすると今度はそれ身分証としてカジュアルに使えなくない?番号隠さなきゃいけないのに?ってなってて本当にマイナンバーにはコケてほしいと思っています
— そらは (@sora_h) October 6, 2015
あえてメリットを挙げるなら・・・
この資格情報が一枚のカードに含まれるようになれば便利だな・・・とは思いました。
行政手続きのオンライン申請
民間企業のオンライン取引や口座開設
コンビニでの各種証明書の取得
印鑑登録証・図書カードとしての利用
健康保険証としての利用(検討中)
身分証明書の統合にはまだ早いのでは?
茨城の役所で誤ってマイナンバーが記載された住民票が発行される不祥事がありました。
しばらくは行政側も慣れずにこうした事態が発生することが予想されます。
様々な情報が紐付けられれば便利になる反面、まだまだ不安も強いのが実情です。
身分証明書として適用を拡大するならば、先にセキュリティ面を強化して頂きたいですね。
これに強くこだわるのは、住基カードが普及しなかったのが原因です。