企業約1万社を対象にしたマイナンバー制度に関する意識調査では、負担額は平均109万円。新たなコスト負担の懸念、効果を不安視する声が浮き彫りになった。
▼マイナンバー、自社コスト負担に懸念 平均109万円
マイナンバー制度の対応状況も芳しくない。
「対応を進めている/完了した」企業は2割弱。約6割は「対応を予定しつつも何もしていない」と回答し、全体の進ちょく状況は8.9%だった。対応の具体的内容は「給与システムの更新」が半数、「社会保障関係書類の更新」と「基本方針・取扱規程などの策定」がそれぞれ3割台で続いた。企業に付番される「法人番号制度」は、約4割が「知らなかった」と回答。特に従業員数5人以下の企業の半数超は法人番号制度自体を認識していない状況だった。
対応における自社コスト負担の額は平均約109万円。従業員数に応じて上昇し、1000人超の企業は平均約581万円となった。
出典| ITmedia エンタープライズ
▼マイナンバー不況が到来!? 中小企業はピンチ
社会保険料の正規負担で、今後は人件費が約15%上昇する計算
マイナンバーで集められる「特定個人情報」には、罰則付きの厳しい管理が要求される。自治体だけでなく、民間にも「安全管理措置」義務が課せられる。精神的負担にもなり、これまでの安全管理では追い付かない。北見氏は、従業員100人で支店が数カ所の会社負担は「初期費用1000万円、毎年の運用で400万円」と試算する。中小企業では、コストをひねり出すため、社員給与の削減に踏み切る可能性もある。日本の会社員の7割弱を占める中小企業社員の給与削減は、消費に影響を及ぼす。<1>社会保険料の支払い厳格化<2>制度導入コスト<3>セキュリティー管理の負担は、企業の経営を圧迫しかねない。北見氏は「来年はマイナンバー不況が起こるのではないか」と危惧している。
出典|日刊スポーツ
▼中小企業は大打撃 マイナンバー還付金導入に見る利権構造
ITゼネコンに利権構造をつくろうとする財務省の思惑が透けて見えます
「読み取り機の導入のコストなどが大きな問題となる。読み取り機の導入に補助金を出すとしたら、税金を還付したいのに税金で補助することになり本末転倒。仮に自費で設置するとなると、大型小売店と比べて体力のない中小零細の小売店では、導入が遅れるのは火を見るより明らか。結果、客は大型店に流れ、町の零細小売店は潰れてしまうでしょう」マイナンバーを活用した軽減税率の導入による日本経済への悪影響は大きい。
出典|dot.ドット 朝日新聞出版
▼マイナンバー制度と小規模企業の負担
プライバシー情報が企業側から漏洩するリスク
マイナンバー制度への対応が小規模企業にとって大きな負担になる可能性があること、今ひとつは個人情報/プライバシー情報が企業側から漏洩するリスクはそれなりに高いのではないかと危惧されることである。そして、前者と後者の間には相当の因果関係があるように思う。企業がマイナンバー制度に対応するためには、正規雇用・非正規雇用を問わず、従業員とその家族のマイナンバー情報を収集する必要がある。そして収集したマイナンバー(個人番号)に紐づく従業員・家族の個人情報を厳格に管理することが求められる(特定個人情報の保護措置)。これは小規模企業でも同様である。(小規模事業者は、個人情報保護法の義務の対象外であるが、番号法の義務は規模に関わらず全ての事業者に適用される)
しかしながら小規模企業にとって、個人情報の窃取や漏洩に対処したシステム(ITと業務運用を合わせた仕組み、および規範)を準備することは、相当大きな負担ではないだろうか。
出典|ビットコンサルティング
▼企業の負担を最小限にする新サービス
マイナンバー制度を意識せずに対応できる新サービス
マイナンバー担当者が個人番号に極力触れずに取得できる仕組みになっています。カシオ情報機器が用意した楽一用のクラウドサービスへ従業員が直接個人番号をアップロードする方法で、インターネット環境とメーラー、ブラウザがあれば簡単にできるのが特長だ。「まずは担当者が従業員へ向けて個人番号取得のためのメールを打ちます。これも各個人あるいは一括で送信できます。メールを受け取った従業員はそこに書かれているURLへアクセスし、文面に書かれているID・パスワードを入力します。
アクセス後はブラウザのウィザードに従い、スマートフォンやタブレットなどで撮影した通知カードと免許証や住民票といった本人確認書類の画像をアップロードする仕組み。