マイナンバーの導入にあわせて企業も従業員のマイナンバーを知っておく必要が生まれました。個人番号の取り扱いについてはなんとなくわかったけれど、経営者の視点に立ってみるとまだまだわからないことが多い、というなら、まずは基本的なことを押さえておきましょう。
マイナンバーは企業が集める必要があります
Q4-1-1 民間事業者もマイナンバー(個人番号)を取り扱うのですか?
A4-1-1 民間事業者でも、従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得し、給与所得の源泉徴収票や社会保険の被保険者資格取得届などに記載して、行政機関などに提出する必要があります。また、証券会社や保険会社が作成する支払調書、原稿料の支払調書などにもマイナンバーを記載する必要があります。(2014年6月回答)
回収の際に気を付けておくべきこともあります
マイナンバーを集めるときの注意点利用目的はきちんと通知又は公表する必要があります!
収集は、はっきりした利用目的をもって、従業員の方に示して、行うことが必要です。
収集当初示した利用目的以外にマイナンバーを利用することは禁止されています。
目的の追加も本人への通知なしにはできません。
ただし、当初から複数の利用目的を示して収集しておくことは認められていますので、収集時には複数の利用目的を示して収集することをおすすめします。
今後マイナンバーの適用範囲は順次拡大が検討されていますが、平成28年1月に運用スタートの時点では、社会保障分野と税金分野と災害対策分野という3種類の用途しか認められていません。企業には、従業員にかわって社会保障関係の申請手続きや源泉徴収などを行う義務がありますので、これらの目的のために従業員本人のマイナンバーを取得することは問題ありません。
集める時期にも工夫が必要です
■マイナンバーをすぐに集めない
マイナンバーを集めると、管理しなくてはいけません。管理するには取扱いに関する体制作りや保管のルール作り、マイナンバー管理エリアの設置等、特に小規模の会社には不可能に近い話がたくさん出てきます。ですから、できるだけ集める時期は遅らせましょう。来年最初に必要になる方は、「来年1月以降に入社する方と退職する方の中で雇用保険に入れる方」です。これはパート・アルバイトの人も該等するので注意しましょう。
扶養家族のマイナンバーはどうすればいい?
マイナンバーを適切に取り扱うために、番号確認と合わせて本人確認が必要となります。個人番号カードを提示することによって番号確認と本人確認を同時に行なうことができますが、通知カードの場合には本人確認をするための書類の提示が必要となります。
従業員に扶養家族がいる場合など、その家族のマイナンバーの提供も受けなくてはならない場合があります。この場合も同じく本人確認が必要です。ただ家族全員で会社に来てもらい、本人確認をすることは実質的に不可能です。このとき、手続の内容により2つの方法があります。
【国民年金の第3号被保険者の届出などの場合】
この場合、従業員の配偶者が事業者に手続をすることになりますので、事業者は従業員の配偶者の本人確認をしなくてはなりません。ですが、実際には従業員が手続を行うことになると思いますので、その際は扶養をしている従業員は配偶者等の「代理人」という立場になってもらいます。代理人の場合の本人確認の場合、1.代理権の確認、2.代理人の身元(実存確認)、3.本人の番号確認の作業が必要になります。
代理人の場合の本人確認
1.代理権の確認
代理人が本当に本人から代理を任されているか、もしくは法律上当然に代理人としての地位がある者(法定代理人)かを確認するための作業になります。・法定代理人の場合は、戸籍謄本その他その資格を証明する書類
・任意代理人の場合は、委任状
のいずれかになります。なお、子どもが満20歳まで達していない場合、親は法定代理人として、子どもの法律行為を代理することができます。2.代理人の身元(実存)の確認
代理人が代理人本人であるかを確認します。・代理人の個人番号カード、運転免許証、旅券等の顔写真付き身分証明書
・公的医療保険の被保険者証、年金手帳、児童扶養手当証書等2つ以上
のいずれかになります。3.本人の番号確認
家族の番号を確認するための作業になります。・本人の個人番号カード又はその写し
・本人の通知カード又はその写し
・本人の個人番号が記載された住民票の写し・住民票記載事項証明書又はその写し
のいずれかになります。この場合の本人とは、配偶者等のことです。ですので、配偶者から上のいずれかをもらうようにしてください。写しで構いませんので、個人番号カードのコピーでも大丈夫です。
なんにせよ焦らないことが大事です
2016年1月から運用開始のマイナンバー(個人番号)は、各世帯への配布が大幅に遅れ、既に混乱が生じている。制度の定着も見通しは不透明で、医療機関としてもあわてずに対応することが必要だ。
医療機関を含む事業者は、15年中に個人番号を取り扱う必要はないことは政府も認めている(内閣官房FAQ)。
今年の年末調整の際に職員に配布する平成28年分の扶養控除等申告書には既に個人番号記載欄が設けられたが、これについても記入の必要はない(国税庁FAQ)。個人番号が記載された申告書が提出された場合には、事業者に提供・保管について安全管理措置等が求められるので注意が必要だ。
個人番号の取得などはあくまで事業者の努力義務。マイナンバー法には罰則はもちろん、事業者に不利益を課す規定もない。役所が書類を受理しないということもない。
こう、毎日を過ごしてると忘れがちだけど、マイナンバー制度はあと半年で全国民にやってくるんだなー。国民1人ひとりに番号が配布される。慌てないように準備しよう。知ってる人に頼らないで自分でなんとかしてほすい。
— さよさん (@3828saya) March 17, 2015