マイナンバー対応を効率的に進めるには?シェアードサービスセンター(SSC)のあるなしが決め手!

3月24日、株式会社NTTデータ経営研究所がマイナンバー対応に関する調査結果を発表しました。大企業においてもマイナンバーへの対応状況にはバラツキがあります。効率的にマイナンバー対応を進めている企業の成功要因にはシェアードサービスセンター(SSC)が大きな役割を果たしているようです。中小企業においてもマイナンバー対応について何かヒントがあるかもしれないので企業担当者の方はチェックしておきましょう。

従業員数100人以上の企業にリサーチ!

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NTTデータ経営研究所は3月24日、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に、「企業グループのマイナンバーへの取り組み実態とその成否に関する調査」を実施し、結果を発表した。

この調査は、企業グループに焦点を当て、マイナンバー対応への取り組み状況を調査したもの。調査は非公開型インターネットアンケートの形式で2016年1月22日~2016年2月1日に行われ、有効回答者数は736人。

現時点までに企業が対応すべき4つの事項

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関係事務の改修・整備

事業者は、特定個人情報等の取扱いを検討するに当たって、個人番号を取 り扱う事務の範囲及び特定個人情報等の範囲を明確にした上で、事務取扱担 当者を明確にしておく必要がある。
これらを踏まえ、特定個人情報等の適正な取扱いの確保について組織とし て取り組むために、基本方針を策定することが重要である。
また、取扱規程等を策定し、特定個人情報等を取り扱う体制の整備及び情 報システムの改修等を行う必要がある。
マイナンバー制度の導入により、マイナンバーを管理する業務が増えるほか、これまでなんともなしにしていた税・社会保障の事務にも安全管理措置を施すなどの対応が求められます。

関係システムの改修・整備

「社会保障・税制度の効率性・透明性の確保」と「国民にとって利便性の高い公平・公正な社会の実現」を目的に、国民全員に一意の個人番号を割り当てるマイナンバー制度の運用が2016年1月から開始されます。これに伴い、民間企業では「給与事務、法定調書作成等の事務(個人番号関係事務)」にマイナンバーの記載が必須となり、マイナンバー情報の収集と管理などを考慮した運用変更と、人事給与システムの制度対応が必要です。人事給与システムは企業の特性に合わせて個別開発やカスタマイズを行っているケースもあり、重要な個人情報となるマイナンバー情報の取扱いに対するセキュリティ対策や基礎教育なども含めた対応が必要となります。
人事給与に関してなんらかのシステムを利用している企業はマイナンバー制度に対応する必要があります。人事給与システムは大企業だけでなく中小企業でも利用しているところが多いのではないでしょうか。

関係者・従業員に対する教育、周知

D 人的安全管理措置
事業者は、特定個人情報等の適正な取扱いのために、次に掲げる人的安 全管理措置を講じなければならない。
a 事務取扱担当者の監督
事業者は、特定個人情報等が取扱規程等に基づき適正に取り扱われる よう、事務取扱担当者に対して必要かつ適切な監督を行う。
b 事務取扱担当者の教育
事業者は、事務取扱担当者に、特定個人情報等の適正な取扱いを周知 徹底するとともに適切な教育を行う。
≪手法の例示≫
* 特定個人情報等の取扱いに関する留意事項等について、従業者に定期的な研 修等を行う。
* 特定個人情報等についての秘密保持に関する事項を就業規則等に盛り込むこ とが考えられる。
安全管理措置の肝とも言える事項になります。どんなに優れたシステムでもそれを取り扱う担当者の監督や教育が不十分であれば意味がありません。

従業員のマイナンバー収集

民間事業者でも、従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得し、給与所得の源泉徴収票や社会保険の被保険者資格取得届などに記載して、行政機関などに提出する必要があります。また、証券会社や保険会社が作成する支払調書、原稿料の支払調書などにもマイナンバーを記載する必要があります。(2014年6月回答)

全体の対応状況は?対応できているのは55%程度!

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マイナンバー対応に必要な業務を「関係事務の改修、整備」「関係システムの改修、整備」「関係者、従業員に対する教育、周知」「従業員のマイナンバーの収集」の4項目にわけ、対応状況を尋ねたところ、「関係事務の改修、整備」では、一部課題がのこる場合もあるものの、75%が対応できていると回答。もっとも低い「関係者や従業員に対する教育、周知」に関しても62%が前向きな回答を寄せた。

一方、4項目を統合した全体の対応状況を見ると、40%が「概ねできている」、15%が「十分できている」と回答しており、対応できているとの回答は55%にとどまった。

対応できない原因は?最も多いのがリソースとノウハウの不足!

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いずれかの業務で対応が不十分である企業にその要因を聞くと、「リソース・ノウハウ不足の問題」が約6割で最も高く、次いで「グループ内のリーダーシップ・連携の問題」「制度・仕様の問題」が高かったという。特にグループ企業19社以下の小規模グループでは、「リソース・ノウハウ不足の問題」がグループ企業20社以上のケースよりも高く、小規模グループでは、リソース・ノウハウが不足していることによって、大規模グループよりも対応状況が良くないものと推測されるという。

対応できた企業の成功要因は?シェアードサービスセンター(SSC)の存在!

また、グループ内に各社の間接業務を共同で行うシェアードサービスセンター(SSC)がある場合、マイナンバー対応をSSCが全面的に担っている企業グループでは、対応の割合が64%と高い。SSCを全面的に活用している企業グループほど、業務が効率的に行われているとする回答の割合が高く、マイナンバー対応をきっかけにSSCの役割を見直したという回答も47%に達した。

NTTデータ経営研究所では、マイナンバー対応の成否のカギを握るSSCは、普段の業務の効率性にも大きく関係しており、マイナンバー対応をきっかけに、これまで以上に活用する動きが始まっているようだとしている。

マイナンバー対応が成功するかどうかはシェアードサービスセンターの存在が大きかったようです。各社の間接業務を行うシェアードサービスセンターはグループ企業ならではのものですが、中小企業においても部門間の間接業務を行う部署などを設置してうまく運用すれば、マイナンバー対応やひいては組織の運用自体がより効率的になるかもしれません。

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