従業員のマイナンバー収集についてまとめ

事業主には従業員のマイナンバー収集・管理が求められています。今回は従業員のマイナンバー収集についての様々な疑問とその答えについてまとめました。

マイナンバーの収集

平成28年1月以降、従業員の社会保険の手続き・源泉徴収・税金の納付・証券会社や保険会社等の金融機関での手続きなどを行う場合に、従業員や扶養親族などのマイナンバーを収集することとなります。

また、外部の方に講演や原稿の執筆を依頼し、報酬を支払い、報酬から税金の源泉徴収を行う場合は、外部の方からもマイナンバーの収集が必要です。

なお、法律で限定的に明記された目的以外で、特定個人情報を収集してはなりません。

マイナンバーの収集

マイナンバーの収集

税金支払いの際には必要になる為、ほぼどの企業でも対応する必要がありそうです。

従業員の扶養家族についてもマイナンバーの収集が必要?

従業員の扶養家族については、所得税や住民税の控除額や社会保険料の算出に影響があります。書類には扶養家族のことを記入する欄もありますから、該当する家族のマイナンバーを取得することは正当な利用だといえるでしょう。

一方で、扶養扱いでない家族の情報までを企業が取得していい理由はありません。

税金の算出に必要な情報であるため、扶養家族のマイナンバーについても収集の必要がありそうです。
扶養家族

扶養家族

養わなければならないお子様や所得を持たない伴侶の方がそれに当たります。
従業員が扶養親族のマイナンバーを記載した書類を提出する場合、従業員が扶養親族の本人確認をすることになりますが、従業員の扶養親族が国民年金3号被保険者の届け出をしている場合は、企業が扶養親族の本人確認することもあります。
国民年金に加入する人(被保険者)は、第1号から第3号にグループ分けされます。第1号被保険者は自営業や無職の人、20歳以上の学生などです。第2号被保険者とは、会社員や公務員など、お勤めしている人。そして第3号被保険者は第2号被保険者に扶養されている配偶者です。「扶養されている人」とは年収130万円未満(一定の障がいの状態にある人は180万円未満)の人を言います。

気を付けておきたいことは、第3号被保険者の条件として、20歳以上60歳未満という年齢制限があることです。たとえば夫が会社で厚生年金保険に加入しているとしても、60歳以上の妻は第3号被保険者にはなれません。19歳の妻も第3号被保険者にはなれません。

第3号被保険者とは?
扶養家族

扶養家族

一定の基準によって従業員の家族のマイナンバーも必要になってくるということですね。

本人確認の必要性

番号法では、マイナンバーを取得するとき、「なりすまし」防止のため、必ず本人確認をすることを事業者に義務づけています。特にマイナンバー導入の初年度、従業員から取得するときなどでは、顔見知りであるからと、本人確認がおろそかになってしまうこともあるかと思いますが、しっかりと本人確認をしてから取得するようにしましょう。
マイナンバー制度の本人確認とは、個人番号の提供を受ける場合に、提供をした人が本当にその個人番号の持ち主であるかを確認する作業です。具体的には1.番号確認と2.身元(実存)確認という2つの作業から成り立っています。
本人確認は厳格に行う

本人確認はどこまでも慎重に実行することが望ましいです。戸籍謄本や運転免許証など、複数の本人確認書類を必ず提出してもらうようにしましょう。

なりすまし防止

なりすまし防止

マイナンバーについてもっとも怖いのがデータの取違です。十分に注意しましょう。
個人番号カードに限っては1枚でOK

ただし、マイナンバーの個人番号カードだけは例外です。個人番号カードにはマイナンバーも顔写真も氏名も生年月日もすべて記載されていますので、身分証明書としての必要十分条件をこれ1枚だけで満たしてくれます。

裏技ですね。

マイナンバーの提出拒否について

 源泉徴収票や支払調書の作成などに際し、従業員等から個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番号を記載しないで書類を提出せず、個人番号の記載は、法律(所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。
 それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。
 経過等の記録がなければ、個人番号の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが判別できません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録をお願いします。
 なお、源泉徴収票や支払調書に記載すべき対象となっている方全てが個人番号をお持ちとは限らず、そのような場合は個人番号を記載することはできませんので、個人番号の記載がないことをもって、税務署が書類を受理しないということはありません。
 また、源泉徴収票や支払調書を税務署等に提出する際に、個人番号を記載しなかった場合や誤りがあった場合の罰則規定は、税法上設けられておりませんが、個人番号の記載は、法律(所得税法等)で定められた義務ですので、正確に記載した上で提出をしてください。
マイナンバー提出拒否

マイナンバー提出拒否

マイナンバーの提出は今のところ義務とまではいかないようです。十分に説明しても理解を得られない場合は仕方ないでしょう。

マイナンバーの書き間違い

従業員のマイナンバーを間違えて記入してしまった場合、会社側に罰則はあるのか。

 単にマイナンバーを間違って記入した場合の罰則の適用はありません。他方、個人番号の記載は、法律で定められた義務ですので、正確に記載した上で提出をしてください。

後々厄介なことにはなりますが、特に誤った番号を提出しても即罰則にはなりません。

従業員のマイナンバー、取得期限は?

従業員にマイナンバーが通知されて以降マイナンバーの取得は可能ですが、マイナンバーを記載した法定調書などを行政機関などに提出する時までに取得すればよく、必ずしも平成28年1月のマイナンバーの利用開始に合わせて取得する必要はありません。例えば、給与所得の源泉徴収票であれば、平成28年1月の給与支払いから適用され、中途退職者を除き、平成29年1月末までに提出する源泉徴収票からマイナンバーを記載する必要があります。
マイナンバー収集

マイナンバー収集

十人いれば十人の認識があるかもしれない個人情報についての認識。従業員とのコミュニケーション代わりにお話ししてみては。

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