老人ホームでのマイナンバーの取り扱い方

入居者のマイナンバーの取り扱いは今の段階では介護事業者によってマチマチだと思いますが、入居者のマイナンバーを守るためにどのようなことが最低限でも必要か確認しておきましょう。

介護事業所では入居者のマイナンバーをどのように管理したら良いのか

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10月中旬以降、「すべての人」に対しマイナンバーの「通知カード」が送付されます。

「すべての人」ということは認知症の人、入院中の人、老人ホーム入居中の人も、もちろん対象。
カードは住民票のある住所に送られてきますから、老人ホームに住民票をおいている入居者であれば、カードはそのホームに届きます。

利用者が認知症の場合は、委任状にサインをもらい代理人として受領することができません。家族の許可を得れば安心材料にはなるが、世帯分離をしていれば「他人」であり、後見人に就任していない以上法的権限はないため悩ましいところです。
老人ホームに入居されている方の中には住民票を施設に移している方は少なくないでしょう。
通知カードが届いた場合、入居者にご家族がいればそのままお渡しすれば良いのですが、家族がいない場合はどのように対応をしたら良いのでしょうか?

マイナンバーが施設に届いたらどうしたら良いの?

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通知カードはもちろん入所者本人のものですので、本人にお渡ししてその後は通知カードには関与しない、という対応が原則的になると思われます。しかし、本人に通知カードを渡しても本人が適切に管理しきれないようなケース(未成年者、知的障害者の場合など。)もあり得ます。このようなケースはそもそもマイナンバーのガイドラインでは想定されていないのですが、本人に家族や後見人がいれば、その方に通知カードを転送してお任せすることも考えられます。ただ、そういった転送先も無いようなケースではどうすれば良いでしょうか。その場合は、通知カードを施設で受け取り、従業員等のマイナンバーと同じく安全管理措置の対象として保管する、というのが現実的な対応となるでしょう。
社会福祉法人が入所者のマイナンバーを収集することがこれらに該当するかどうかは、現時点では微妙であると言わざるを得ません。ただし、当社がマイナンバーのコールセンターに確認したところでは、社会福祉法人が入所者のマイナンバーを収集・保管することは、目的外収集には当たらないとの回答でした。(法的根拠が明確に定められているわけではなく、どちらかというと立法主旨から導き出された回答であるように、個人的には感じられました。今後、明確にするためにガイドライン等に取り入れていっていただけることを期待したいところです。)

マイナンバーの取り扱いは厳重に

施設内でのマイナンバーの紛失や盗難が、利用者様、あるいはそのご家族とのトラブル要因にもなり得ます。

 実は、マイナンバーの漏えいや不正取得には、懲役または罰金という形で罰則も科せられます。

 マイナンバー制度については、総務・経理部門への影響を中心に考えがちですが、これと併せて、現場での混乱を予防するための対策や、マイナンバーが持つ意味についての職員教育も必要となります。

ルールを早めに決めておこう

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介護事業者が取り扱う場合、事業所内で厳重な規定をつくり、スタッフ教育を徹底させることが求められます。さらに、信頼できる責任者を配置し、責任の所在を明確にすることも必要になってくるでしょう。
施設の場合は、この点を徹底して下さい。中途半端は禁物です。対利用者のカードの取扱を事前に決めておき現場に周知しておかないと、現場の判断で「ある利用者については預かったが、別の利用者の分は受け取りを拒否してしまった」等という行き当たりばったりの対応になり、混乱の素となります。

現時点でマイナンバーの管理はどうしたら良いのか?

現状では、「施設で預かる場合通知カードの入った封を開封することなく、そのままの状態で金庫に入れ保管する」という方法が望ましいと考えます。

今後介護の分野でもマイナンバーを活用する可能性があります

なお、介護保険法関連では、「保険給付の支給、保険料の徴収に関する事務」につき、マイナンバーを告知・利用することとされています。

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