住基ネットとマイナンバーの違いは?

マイナンバー制度開始あたり住基ネットは廃止となりました。しかしこの二つにはどんな違いがあるのでしょうか。

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最近とんと聞かなくなった「住基ネット」ですが、マイナンバー制度開始に合わせて廃止されることになりました。

住基ネットはマイナンバーと何が違うのか、それぞれの性質を比較してみましょう。

マイナンバーは何に使われるの?

マイナンバーはどのような場面で使われるのでしょうか。

現時点で決まっているマイナンバーが使用される場面は以下の3つの場面です。

税務関係
税務署などに提出する申告書や届出書などへの記載など税務手続き
社会保障関係
年金、医療保険、介護保険、生活保護、児童手当などの社会保障関連の手続き
災害対策関係
被災者生活再建支援金の支給や被災者台帳の作成など防災・災害対策に冠する役所関係の事務手続き

これらは、行政の効率化、国民の利便性、公平・公正な社会の実現を目的として行われます。

住基ネットは何に使うのか

次は住基ネットについてです。

正式には「住民基本台帳ネットワークシステム」といい、氏名、生年月日、性別、住所などを記載した住民票を編成した住民基本台帳ネットワーク化し、全国共通で本人確認ができるように組まれたシステムです。

導入された当時は色々と物議を醸し、反対論も強く、導入後も参加しない自治体が出るなどしました。

現在は全国規模でネットワーク自体は普及していますが、公的身分証明書としても使えるICカードの住基カードや、なりすましや改ざんでないことを証明する公的個人認証サービスの普及はあまり進んでいません。

この住基ネットで使われている番号は「住民票コード」といわれる11桁の数字で、これが利用されているのは、以下のような事務についてです。

選挙人名簿への登録
国民健康保険、介護保険、国民年金などの資格確認
児童手当の受給資格確認
学齢簿の作成
生活保護及び予防接種
印鑑登録

二つの違い

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住基ネットと、マイナンバーの違いはどこにあるのでしょうか?

もっとも大きなポイントは、その利用範囲の広さでしょう。住基ネットの情報は、氏名、生年月日、性別、住所だけに留まり、閲覧も役所内部に限定することを前提としていました。いっぽうマイナンバーは、国民ひとりひとりに固有の番号を割り当て、希望者にはICカードを配布。社会保険に関する情報照会や確定申告など、さまざまな手続きが個人向けのインターネットサービスを通じてできるようになる見込みです。

マイナンバーでは税分野や社会保障、災害対策といった多岐にわたる情報が共通の番号で管理され、行政事務の効率化のほか、税や社会保障に関する不正の防止も期待されています。また、法律の施行から3年後をメドに、民間での利用も視野に利用範囲の拡大が検討されます。

住基ネットの主体は、あくまで自治体だったため、一部の自治体が不参加を表明するなど、住基ネットの導入当初には混乱がありました。今回、マイナンバーの主体は国ですので、各自治体の判断で不参加などを表明することは不可能になっています。

マイナンバーの導入当初は、住民票コードの活用が議論されたこともありましたが、結局は別の制度として行われることになりました。

住民基本台帳カードから個人番号カードへ

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マイナンバー制度の施行に合わせ、住民基本台帳カードが個人番号カードへ引き継がれることになります。来年1月以降、個人番号カードは住民基本台帳カードの機能を引き継ぎ、さらに大きな社会的役割を担うことになります。

住民基本台帳カードは来年1月以降、新規発行を行わない予定です。個人番号カードを取得する際には、お持ちの住民基本台帳カードは廃止・回収されます。なお、個人番号を取得せず、住民基本台帳カードを有効期間まで使い続けることは可能です。今回の個人番号カードでは、電子証明書が標準搭載されるため、e-Tax等にすぐ活用することができます。

住基ネット自体は、マイナンバーが始まった後も継続利用されますが、イメージとしては住基ネットは全国自治体の個人情報管理システム、マイナンバーは住基ネットを含む各行政機関の情報連携システムといった感じです。

住基カードを持っている方は返還を

住基カードの発行は、2015年いっぱいで終了。「個人番号カード」の受け取り時に返却する必要があります。ただし住基カードの有効期間内であれば、平成28年1月以降でも、個人番号カードを取得するまでは利用可能です。

まとめ

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ただ実は、個人番号12桁の数字のうち、個人番号の先頭11桁は住民票コードから生成されます。末尾の1桁は、検査用数字であり、先頭の11桁から計算されます。意外なつながりがありました。

住基ネットは国民総背番号制度のさきがけともいわれていましたので、国の長年にわたる苦労の末、マイナンバー制度にたどり着いたことを表すものといえるかもしれません。

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