「マイナンバーの提供」について、企業主が知っておくべきこと。

従業員が子会社などに出向・転籍したり、合併などによる事業の承継があったとき、マイナンバーを出向先や事業の承継先に提供してもいいのでしょうか?今回は、これらのことに関連する記事を紹介していきます。

従業員が子会社などに出向や転籍する場合

従業員が子会社などに出向や転籍する場合、マイナンバーを出向先や転籍先に提示してもよいか?

いけない。出向・転籍元の事業者が情報提供を行なうことは番号法の違反となるため、出向・転籍先の事業者が本人から直接提供を受ける必要がある。事業者同士が委託契約または代理契約を交わして個人番号関係事務の一部を受託している場合に限っては、出向・転籍元の事業者が改めて本人確認を行った上で特定個人情報を提供することは認められている。しかし、すでに保有している情報をそのまま渡すのは目的外利用になるため、改めて本人から番号の告知を受ける必要がある。

いったん出向・転籍が決まったら、もう違う会社の社員という考えで、あとは出向・転籍先の事業者と本人のやり取りになるというわけですね。
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合併で事業の承継があった時

Q:合併などによる事業の承継があったときは、マイナンバーを事業の承継先に提供しても良いのですか?

A:合併などによる事業の承継は、番号法第19条第5号に該当し、事業の承継先にマイナンバーを含む特定個人情報を提供することができます。

こちらは提供OKのようです。

合併のほとんどが吸収合併だと言いますから、吸収され解散した会社の社員のマイナンバーも吸収されるイメージがありますね。

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分社化に際しては、どのように取り扱うべきか?

Q4-5-4 分社化に際しては、どのように取り扱うべきでしょうか。
A4-5-4 分社化の場合、再取得の必要はなく、取得済みの特定個人情報を必要な限度で提供することが可能です。 番号法第19条第5号には、「特定個人情報の取扱いの全部もしくは一部の委託又は合併その他の事由による事業の承継に伴い特定個人情報を提供するとき」に提供制限が解除されるという規定があり、分社化の場合はこれに含まれます。
内閣官房のサイトからの引用です。
【分 社】

会社(分社会社)の資産を新規設立した会社または他の会社に移転させて その移転先の会社の株式を分社会社が保有すること。

分社化の意味が「部門を組織から切り分け、独立子会社を設立すること。 」なのなら、「出向・転籍」に近いので提供は無理だと思ったのですが、OKなのですね。
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当該従業員などが加入している健康保険組合への個人番号提供

健康保険法等の法令の規定により、事業主が健康保険組合に対して、従業員やその扶養家族のマイナンバーの提供を行うこととされている場合には、個人番号利用事務実施者である健康保険組合に対して、事業者は個人番号関係事務実施者になるので、事業者から健康保険組合にマイナンバーを提供することは可能です。
※事業者がマイナンバーを取得するにあたっては、健康保険に関する個人番号関係事務において利用することを明示しておく必要があります。
利用することを明示しておけば、提供可能なのですね。
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申告書や法定調書等を税務署等に提出する際、個人番号・法人番号を記載しなければならない?

番号法整備法や税法の政省令の改正により、国税当局に提出される申告書や法定調書等の税務関係書類に個人番号・法人番号を記載することが義務付けられております。

したがって、申告書や法定調書等を税務署等に提出される際には、その提出される方や、扶養親族など一定の方に係る「個人番号・法人番号」の記載が必要となります。

国税庁のサイトからの引用です。

税務処理を簡素化することは、マイナンバー導入の目的の一つだと聞いたことがありますから、これは記載して提供しなければいけないでしょうね。

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