海外にいる人のマイナンバーはどうなるの?またマイナンバーが適用されることによって、海外送金や外国の銀行に資産を移す手続きがどうなるのかを調べました。
海外にいてもマイナンバーは必須?
マイナンバーが割り当てられるのは住民票を有するすべての個人なので、原則として非居住者にはマイナンバーはないことになります。ただし、非居住者の方が住民登録をするとマイナンバーが発行され、その後に非居住者になっても、その番号は抹消や変更は原則ありません。このマイナンバーで影響が出てきそうなのが、銀行取引。投資信託や国債、地方債などの証券取引全般、マル優・マル特の制度の利用、外国送金など銀行の窓口でを行う際に、マイナンバーの提示が必要になります。そのため、資金を今のうちに日本から海外へ移動させる動きがあります。
また、一時帰国でアルバイトをする際にも雇用主にマイナンバーを提出しなければならないことになります。そのため、一定以上の収入がある方が確定申告をしなかった場合、マイナンバーで税務署が把握して課税することもありえます。ちなみに確定申告については、平成28年度分(29年に申告)から、申告書にマイナンバーを記載することが義務づけられています。
マイナンバーの活用については未定のことも多く、今後どのように海外居住者に関わってくるかはわからないこともありますが、最低限の知識は身につけておいた方がいいですね。下記に関連サイトを掲載していますが、一度は目を通しておきましょう。
関連サイト:
海外居住歴の長い人は、マイナンバーを受け取るために一度手続きし直さないといけないのでしょうか。
A2-2 マイナンバーは住民票コードを基礎にして作成されるため、国外に滞在されている方などで、住民票がない場合はマイナンバーを指定することができません。住民票が作成されれば、マイナンバーの指定対象となります。外国籍でも住民票のある方には、マイナンバーが指定されます。(2014年6月回答)
実は、マイナンバーが付番されない日本人がいます。これは2002年8月5日以降、いずれの市区町村にも住所がなかった日本人です。2002年8月5日は、住民基本台帳ネットワークの稼働日であり、住民票コードが日本国民に割り振られた日でもあります。実は、マイナンバーは住民基本台帳にかなり依存したシステムになっており、そこにデータのない日本人には個人番号が割り振られないという事態になっています。
マイナンバーが付番されない日本人として想定されるのが、「長期在外邦人」と「住所不定者」です。この数がどの程度のものか正確な数字はありませんが、万単位の数になることは間違いなく、マイナンバーのシステムに不具合が生じる可能性も指摘されています。これは「長期在外邦人」と「住所不定者」が、国民年金に加入していた場合や、現在でも日本国内の固定資産税を支払っている場合などが想定されるからです。
今後、問題となる可能性も秘めていますが、現在のところ大きな議論とはなっておらず、国としてもこの「長期在外邦人」と「住所不定者」の問題については特にアナウンスをしていないのが現状です。ちなみに、日本国籍の取得、日本国籍からの離脱があった場合でもマイナンバーは変わりません。
確実に将来、居住者用の普通の口座を持てなくなりそうですね。
マイナンバー法案が銀行口座に適用されるのは、利用者の任意で適用されるのが、2018年から、そして3年後の21年をめどに義務化を検討とありますね
日本でマイナンバーを受け取れない場合
Q2-8-3 住民票を日本に置いたまま海外に長期出張しており、代理でマイナンバーの通知を受け取ってくれる人がいない場合はどうすればよいですか?(海外なので居所に転送してもらう手続きも出来ない場合)A2-8-3 通知カードが届かなかった場合、まず配達郵便局において一週間保管され、再配達等の希望を伝えることとなりますが、保管期間経過後は、差出元の市区町村(住民票の住所地市区町村)に返戻されることとなります。
返戻後、市区町村においては住民票の住所を確認又は調査していただき、それでも住所等の住民票記載事項の異動が確認できなかった場合は、市区町村において少なくとも3ヶ月程度通知カードを保管し、市区町村の判断により本人に連絡をとるなどして、本人に窓口に出頭してもらい本人確認の上交付する、又は市区町村から簡易書留により再度郵送していただく扱いを想定しています。(保管期間経過後は廃棄)。
なお、市区町村において調査した結果、長期出張中であることを把握したり、また事前にその旨をお住まいの市区町村にお伝えいただければ、帰国されるまで市区町村において保管していただくことができるかもしれませんので、詳しくはお住まいの市区町村にお問い合わせ下さい。なお通知カードは、申請により、再交付をうけることも可能です。(2015年9月回答)
マイナンバーがかかわるのは主に税金関連
税金が絡んでくる事柄ですから、仕事をするのにはマイナンバーが必要になるのではと思うのです。そうなったら、海外にいながら日本から請け負った仕事をすることはもちろん、一時日本に帰った時にバイトもできなくなるんじゃないでしょうか。
日本で仕事を持つ予定の方はマイナンバーを取得する手続きを行っておきましょう。
日本に住んでいれば外国人でもマイナンバーが発行される
来年1月1日以降、中長期滞在する外国人のマイナンバーと基礎年金番号は情報システムによって照合されることになります(ただし、延長される可能性があります)。外国人が在留期間の更新や永住権、帰化申請をする際は、納税義務等の公的義務を果たしていることが要件の一つとなっています。今後はこれらの申請の際に税金や社会保険料等の納付状況が自動的に確認される可能性があります。もし税金や社会保険料に未払いがある場合には、審査においてネガティブな要素となる可能性が高いので、今後はしっかりと税金や社会保険料の支払いを行っていくことが必要になると考えます。また、所得が明らかになるため、不法にアルバイト等を行っている場合、これが当局によって把握しやすくなります。以前よりも外国人の就労に対しては、しっかりとした対応がとられる可能性があるため、目的外の在留、就労は行わないようにしてください。
たいへんだ。
海外送金はどうなる??
留学中の家族や、留学先の学校への送金
海外送金なら、日本から留学先の銀行口座に送金ができます。出発時に多額の現金を持って行く必要はありません。商品購入代金の支払い
海外の通販サイトでのお買い物や、海外からモノを買った場合の代金の支払いにご利用いただけます。海外での滞在費や旅費の送金
ご家族が、海外でロングステイ、ホームステイ、駐在などされている場合や、現地で生活されている場合の滞在費・生活費の送金に、ご利用いただけます。
海外送金の履歴は税務署に全て把握されることになります。
2016年に始まる新たな制度マイナンバー。10月から1人1人の番号(マイナンバー)の通知が開始されていますので、すでに自分のマイナンバーを把握している人もいらっしゃると思います。銀行取引や資金移動取引にもマイナンバー制度は大きな影響を与えます。海外に送金する場合や海外からの資金を受け取る場合には「都度」マイナンバーを銀行などのサービス提供元に届け出る必要があります。
税務署に確認するとまだまだ混乱している様子で、各金融機関からも詳細な手続きについては公表されていないマイナンバー制度。まだ全容は明らかになっていないような気もしますが、海外送金に関してはマイナンバーの届け出が必要になるのを気を付けなければなりません。
特に2016年1月に入ってすぐに海外に資金を移動したい、もしくはすぐに受け取る必要がある、といった場合は今年のうちにマイナンバーを利用する銀行などに届け出ておいた方がよさそうですね。
金融機関によって細かな対応がことなる可能性もありますので、ご利用中の金融機関に早めに確認しておくようにしましょう。海外送金や投資信託・株式などの資産運用関連はまず最初にマイナンバーが必要になる取引です。
マイナンバーについての例、三菱東京UFJ銀行の案内
【お客さまから個人番号(マイナンバー)・法人番号のご提出が必要となる取引(*1)】
(1)個人のお客さま(*2)
dot 投信・債券(公共債)など証券取引全般にかかる口座開設、異動(氏名・住所変更)など
dot マル優・マル特取引にかかる新規、異動(氏名・住所変更)など
dot 財形(年金・住宅)にかかる新規申込、異動(氏名・住所変更)など
dot 外国送金などにかかる支払い・受け取り
など
(2)法人のお客さま
dot 投信・債券(公共債)など証券取引全般にかかる口座開設、異動(社名(商号)・住所変更)など
dot 定期預金・通知預金などにかかる口座開設、異動(社名(商号)・住所変更)など
dot 外国送金などにかかる支払い・受け取り
国外送金においての所得隠しに税務署の厳しいチェックが入る
2.「国外送金等調書制度」
100万円を超える国外への送金・国外からの受金について、その取扱い金融機関から税務署へ支払調書が提出されます。以前は200万円を超える送受金が対象でしたが、平成21年4月1日以後に行われる国外送金等については、100万円を超える送受金に金額が引き下げられました。3.「国外財産調書制度」
平成24年度税制改正により創設され、その年の12月31日時点で国外に5千万円を超える財産を有する居住者は、その財産の種類、数量、価格等必要な事項を記載した国外財産調書を翌年3月15日までに税務署に提出しなければならないという制度です。本年3月から提出が必要になりました
このように様々な税制改正を行って資産把握の動きを加速させていますが、それでもなお、海外資産の情報を税務当局が完全に把握することはできません。そこで、各国は互いに租税条約を結んで情報共有を行ってきました。2014年3月現在の情報交換ネットワークは60条約(80カ国・地域に適用)に及んでいます。しかし、情報交換に積極的な国と、そうでない国の温度差はかなりあるようで、例えば、現在は情報の秘匿性が高いと噂されているシンガポールに世界の富裕層の富が移転していると言われます。昔も今も、「情報を守る国に資産は集まる」ということでしょうか。
このような状況の中、2014年2月28日付の日経新聞一面には『海外口座情報 得やすく』という見出しで、『日米欧など主要20カ国・地域(G20)は資産隠しや税逃れを防ぐために、課税対象者が海外に持つ銀行口座の情報を得やすくする新たな仕組みを作る』との記事が掲載されています。把握が難しい海外の口座情報を、各国の税務当局がオンライン上で提供しあう情報共有のネットワークシステムを2015年末までに導入するというものです。この記事は、税務の専門家にとってもかなりインパクトのあるものでした。
外国にある金融機関の口座情報は把握することが難しく、税逃れが各国で問題になっていましたが、今後は各国の金融機関が定期的に情報を入力し、国税当局間のネットワークで公開することにより、税務当局は課税対象者の海外の口座情報を瞬時に得られるようになります。
海外在住の方は、今後日本での就労を考えるなら、マイナンバーを取得していないと不便だということがわかりました。日本でマイナンバーの手続きを済ませておいた方がいいみたいです。
また、海外でも資産を隠せない時代になるんですね。
富裕層の所得隠しがばれたり、マネーロンダリングなどの不正が行われにくくなるのは利点だと思いますが、なんだか管理の厳しい世の中になりそうです。