個人情報を廃棄するときの注意点は?

従業員のマイナンバー情報は事務が済んだら廃棄しなくてはなりません。廃棄の上でどのような点に注意しなくてはならないのでしょうか。

廃棄・削除の義務

番号法で限定的に明記された場合(注)を除き、特定個人情報を収集又は保管することはできないため、個人番号関係
事務を処理する必要がなくなった場合で、所管法令において定められている保存期間を経過した場合には、個人番号
をできるだけ速やかに廃棄又は削除しなければなりません。
個人番号は「特定個人情報」として廃棄・削除が義務になっています。
既に退職した従業員の個人番号を保管していてはいけません。
手続きに際して取得するとともに、事務が完了したら廃棄しなくてはなりません。
なので廃棄の注意点をしっかり知っておく必要があります。

取得した特定個人情報の廃棄・削除義務

マイナンバー取得フロー

マイナンバー取得フロー

源泉徴収事務や社会保険関係手続など。
従業員の個人番号を取得する場面は往々にしてあります。

このとき「度々取得するのは面倒だから」と取得したまま会社で個人番号を保管してはいけません。
取得したら速やかに次のルールを実施する必要があります。

電子データ

①データ入力したら本人に返却
②データ削除ソフトや記録媒体の物理的破壊

その事務が完了したら(一部を除いて)記録媒体に保存しておいてはなりません。
毎度復元不可能にする必要があるので外付けの記録媒体を用意しておきましょう。

紙類

①データ入力したら本人に返却
②焼却または溶解
③専用シュレッダーで復元不可能に
④番号部分を復元できないようにマスキング

マイナンバーカードのコピーや書き写した、マイナンバーのリストを作成した場合などです。
事務手続きが完了したら個人番号が記載されている全ての書類を復元不可能な状態にしなければなりません。
書類が紛れ込まないよう、個人番号取扱の区画で作業した方が良いでしょう。

保管した特定個人情報の廃棄・削除義務

1.雇用契約等の継続的な契約関係にある場合
従業員等から提供を受けた個人番号を給与の源泉徴収事務、健康保険・厚生年金保険届出事務等のために翌年度以降も継続的に利用する必要が認められることから、特定個人情報を継続的に保管できるとされます。

2.従業員等が休職している場合
復職が未定であっても雇用契約が継続していることから、特定個人情報を継続的に保管できるとされます。

3.土地の賃貸借契約等の継続的な契約関係にある場合
支払調書の作成事務のために継続的に個人情報を利用する必要が認められることから、特定個人情報を継続的に保管できるとされます。

このように一部の理由においては個人番号を保管することも許されます。
要件としては雇用契約などを根拠に「継続的」な利用が認められることです。

しかしこれらも契約が終了した場合、速やかに個人番号を廃棄・削除する義務があります。
この場合、注意が必要なのが「返却または削除した記録を残す必要がある」ということです。

電子データ

①法定保存期間経過後、情報システムを自動的に削除するプログラムを構築する
②Excelファイルなどはデータ削除ソフトや保存媒体の物理的破壊によって復元不可能にする

個人情報に関する記録を復元不可能な状態に廃棄・削除が求められます。
独立したデータベースを構築するか外部保存媒体を用意した方が良いでしょう。

紙媒体

①焼却または溶解
②専用シュレッダーで復元不可能に
③番号部分を復元できないようにマスキング

書類のコピーなどを保管することも許されません。
個人情報のリストをファイリングしている場合、該当の個人番号をマスキングする方法が良いでしょう。

保存期間

一部の書類には保管義務が課されています。
これらには法定保存期間が定められており、また経過後は速やかに廃棄・削除する必要があります。

特に税務関係の書類は7年間と長期になります。
マイナンバー事務の担当者の移り変わりも考えられますので、引継ぎなどのシステムもしっかりする必要があります。

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No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期限|源泉所得税|国税庁

No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期限|源泉所得税|国税庁
特に源泉徴収関係の書類は保管期間が長期なので注意する必要があります。

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