医療分野はプライバシー性の高い情報のため、個人番号とは切り離される予定です。医療分野で検討されているマイナンバーの可能性についてまとめました。
薬局:おくすり手帳の代わりに
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マイナンバー制度の実施を見据えた社会実験が2月、前橋市の薬局であった。薬剤師の重原拓也さん(48)がパソコンに個人番号カードを想定したICカードを使ってアクセスすると、モニターになった15~75歳の患者4人について、薬を処方した年月日や薬の名称、1日の服用量や何日分出したかなどの記録が確認できた。ほかの薬局で処方されていれば同時に閲覧できる。重原さんは「ほかの薬局での処方状況が確認できればより的確な薬を出せる」と評価する。
• 今現在、必要とされている仕組みであり、早期の開発が、
患者・国民の混乱を避けるために必要である。
• 紙のお薬手帳と同様に、患者・国民が自分の情報を自己
コントロール可能な仕組みとする。
• 大規模災害等を念頭に、インターネット環境が無くとも、
一定の機能を有する仕組みとする。
• スマホ利用を想定するものの、スマホを持たない患者・
国民に対する運用も可能とする(一部機能制限あり)。
• マイナンバー(医療等ID)が普及し、全国に地域医療
情報連携基盤が構築されるまでの間、その一部機能を代
替できるシステムとして構築する。
日本薬剤師会の電子おくすり手帳のコンセプトにも、既に医療等IDの記載があります。
産婦人科:母子手帳の記録も
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母子手帳の電子化も実験された。同市の竹内三保さん(40)がタブレットにICカードをかざし、パスワードを入力すると、長女(2)の体重や身長の変化や健診の記録などが、カラーのグラフで表示された。
健診や成長の記録などを残せますね。
病院:共通診察券、画像連係も
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医療機関ごとに発行される診察券の代わりにICカードを使う「共通診察券」や、撮影されたCTやMRIの検査画像を複数の医療機関で共有する「画像連携」なども試みられた。
データの共有は医療側、患者側双方にメリットがあります。
薬剤アレルギー情報なども共有できれば、医療事故が減るかもしれません。
薬剤アレルギー情報なども共有できれば、医療事故が減るかもしれません。
画像データとしては、CT/X線/MRI/PET/エコーなどがあります。
特に設備が必要で、撮像に時間がかかる画像データの連係には大きな価値があります。
特に地方や介護分野で力を発揮する
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医療分野で番号を統一化することについては、次のようなメリットがあります。
地域医療や介護の分野では、さまざまな施設や多様な職種が関わるため、医療情報を扱う番号が統一されていれば、非常に効率化するからです。命にかかわるような緊急時にも、医療従事者が医療IDから情報を引き出すことで、患者本人の同意がなくとも適切な救命活動が実現する可能性もあります。
1つの病院に全てのコメディカルが揃うわけではありません。
人的リソースの少ない場所でこそ真価を発揮します。
人的リソースの少ない場所でこそ真価を発揮します。
予防接種と特定健診情報
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医療分野では、現在、以下の2つの医療情報に限ってマイナンバーの利用が認められています。
① 自治体が扱う予防接種の記録
月齢に応じて受ける乳幼児の予防接種記録を転居の際に市区町村が引き継ぎやすくなります。
② 健康保険組合による被保険者の特定健康診査情報(メタボ健診)の管理
被保険者の転居や退職による異動時に特定健診の情報を保険者間で引き継ぎやすくなります。
保険者や市町村の利便性がメインの理由のようです。
メリットが多い一方、プライバシーに配慮して医師会など3師会は慎重な意見を持っています。
医療等IDとして切り離しが必要
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プライバシー性が高いとして、特定個人情報の切り離しが提言されています。
先日19日に開かれた会合では、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の3師会が、来年のマイナンバー制度開始にあたり、医療情報は別途番号が必要であることを表明しました。マイナンバー制度で割り当てられる個人番号は、生涯に渡って使用されるもの。もし医療情報も、年金や保険、税などと同じように紐づけられてしまえば、過去に患った病気や、現在治療中の病気まで、この先一生分の全データも、すべて一つの番号で取り出せることになってしまいます。しかし、データ漏えいの恐れがあるため、医療情報を管理するためには、医療IDとして別途用意されるべきだと3師会によって表明されました。
また、医療IDは、一生固定のものではなく、希望に応じて変更でき、病歴も必要に応じて消去できるものでなければならないと、3師会は付け加えました。
また、インタビュー記事もあがっていますので取り上げます。
インタビュー:マイナンバー医療適用なら人権侵害の懸念=医師会常任理事| Reuters
日本医師会の石川広己・常任理事は、ロイターとのインタビューに応じ、マイナンバーを医療分野に活用することは、遺伝子治療が中核となるこれからの時代には人権侵害のおそれがあるとして強く反対する姿勢を示した。
[東京 7日 ロイター] – 日本医師会の石川広己・常任理事は、ロイターとのインタビューに応じ、マイナンバーを医療分野に活用することは、遺伝子治療が中核となるこれからの時代には人権侵害のおそれがあるとして強く反対する姿勢を示した。医療改革の前提となる国民総医療番号制の導入と電子カルテ普及についても、プライバシー問題に加えて膨大な費用を医療機関が負担する点を指摘し、困難との考え方を示した。
改めて医師会から反対の姿勢が示されました。
まとめ
いかがでしたか?これが医療分野のマイナンバーを取り巻く現状です。
非常に多くの場面での活用が期待される反面、情報漏えいすると遠い将来に渡って取り返しのつかない事態に陥ってしまう、それが医療分野のジレンマです。
非常に多くの場面での活用が期待される反面、情報漏えいすると遠い将来に渡って取り返しのつかない事態に陥ってしまう、それが医療分野のジレンマです。
行政分野や情報分野とも連係して、利用する人の利便性が高まると良いですね。
電子おくすり手帳の構築についてPDFファイルがありましたので、抜粋してご紹介します。