【企業向け】他人ごとではない!行政のミス

行政のミスが連発しています。しかし、マイナンバーを管理するのは企業も同じです。そこで業務に関連付けながらまとめてみました。

住民票発行機の設定ミス

秘密が守られていない

秘密が守られていない

マイナンバー:茨城県取手市が100人分を誤記載 全国で初のミス
毎日新聞 2015年10月14日 大阪朝刊

茨城県取手市は13日、住民票の自動交付機の設定ミスで、マイナンバーを記載した住民票を69人に誤って発行したと発表した。家族を含めると100人分が誤記載されたという。マイナンバーの記載は本人らの意思確認が必要だが、確認なしで自動的に記載される設定になっていた。総務省によると、マイナンバーを巡る発行ミスは全国初。

取手市には市役所などに計2台の自動交付機がある。マイナンバー法が施行された5日から、市民の問い合わせでミスに気付いた9日まで、いずれの交付機でも誤発行していた。同市によると、法施行を前に業務委託先の「茨城計算センター」がシステムを変更した際、設定を誤った。

69人のうち42人は既に金融機関や公共機関などに住民票を提出していた。市は全員分のマイナンバー変更を検討する。報告を受けた総務省は、各都道府県に設定ミスがないかどうか確認するようメールで求めた。【松本尚也】

印刷後にチェックすることができない体制だったのでしょうか。
今までの流れ作業をもう一度見直すべき時期に来ています。

発行の条件によって設定が異なる場合がある

少しだけ書式が異なる物が混じっているかもしれませんよ

少しだけ書式が異なる物が混じっているかもしれませんよ

マイナンバー:本人請求ないまま記載 茨城・美浦
毎日新聞 2015年10月15日 21時51分

茨城県美浦村は15日、本人からの請求がないのにマイナンバーを記載した住民票を28人に発行したと発表した。

村によると、住民票は窓口の職員が8台のパソコンを使って交付していたが、住民本人から本籍や続き柄などを省略しない請求があった場合に誤って記載されていた。13日に職員がミスに気付いたが、28人のうち16人は既に勤務先や不動産会社などに住民票を提出していた。村は16人のマイナンバーについては変更する方針。

誤記載の原因について、村は住民票を交付するシステムを委託する「茨城計算センター」(同県日立市)の設定上のミスとしているが、同計算センターは「システムの運用方法を村に十分周知していなかった」と説明している。【福沢光一】

発行する住民票の種類によって、設定が異なったケースです。よく読むと上の事件と同じ会社が関連しているので、システム側の問題である可能性が高いですね。
会社の書類印刷用データに数パターンの設定がある場合は、変更漏れがないように必ずチェックしてください。
その会社について新しく記事ができていましたので、紹介します。
受託している茨城計算センターは、自治体の事務効率化を図るための電算処理を担う専門企業として、県内の自治体が出資し、1965年に設立。現在は38市町村の事務を受託している。

株主には民間企業や個人も含まれているが、21市町村で計63・5%を占める。2015年3月期の売上高は68億5100万円、経常利益は8900万円だった。

15日開かれた取手市議会全員協議会では、開会に先立ち、センターの和田穣社長が「市の信用やマイナンバー制度の信頼失墜につながる事件を起こし、心よりおわび申し上げる」と陳謝した。

同市は67年から電算基幹業務を一貫して同社に随意契約で委託している。今年度の契約額は2億4084万円。取手市役所4階に同社の事業所があり、9人が常駐して同市だけの業務に専念している。

全協では、こうした現状を疑問視する声も出た。倉持光男市議は「安易に計算センター任せにしてきたツケが出た。新たなシステムを作るときに入札を実施して、それぞれの自治体にあった形でやることが大切」と指摘した。

企業情報を調べられたり、「入札とすべき」など厳しい意見が。
信用を失ってしまいますと取り戻すのが大変です。

操作ミス、確認ミスといったヒューマンエラー

シンプルならば間違いは減る

シンプルならば間違いは減る

マイナンバー:住民票に誤記載 札幌・厚別区で2枚交付
毎日新聞 2015年10月16日 北海道朝刊

今月5日にスタートしたマイナンバー制度で、札幌市厚別区役所が個人番号を誤記載した住民票2枚を交付していたことが15日、同市への取材で分かった。道によると、道内での個人番号の交付ミスは初めて。市戸籍住民課は「パソコンの操作ミスと交付前の確認漏れが重なった。市内の部署に注意喚起し、再発防止を徹底したい」としている。

厚別区戸籍住民課によると、60代女性が6日、同課で自身と夫の住民票の発行を申請した際、職員がパソコン操作を誤り、それぞれの個人番号を記載した住民票2枚を発行。女性が住民票を年金事務所に持参したところ、手続きに必要な住民票コードではなく、個人番号が記載されていることに気付いた。

同課は13日までに発行した住民票をチェックしたところ、この2枚のほかに、交付ミスはなかったという。

住民基本台帳法は「住民から請求があった場合に限り、住民票に個人番号を記載することができる」と定めている。【三股智子】

「不注意」などのヒューマンエラーは必ず起こると言われています。
ダブルチェックや、動作の簡略化などの対策が有効です。
病院の場合はインシデントの共有なども有効です。

立場を利用した悪行もあり得る

旅行も現金もワイロです

旅行も現金もワイロです

マイナンバー汚職事件です。

贈賄・収賄については、事前の打ち合わせや接待などにも注意が必要です。
華美な接待、金券やギフト券、旅行、天下りの約束、チケット、家族へのサービスなども賄賂とみなされることがあります。

その他、考えられる事案

今のところ源泉徴収票が一番危なそう

今のところ源泉徴収票が一番危なそう

例えば事務担当であれば、
・源泉徴収票は「税務署用」でなく「従業員用」を渡しているか
・マイナンバーをメモしていないか、または正しく破棄したか
・収集したマイナンバーを人目につくところに置いていないか

システムを納付する会社であれば、
・テストで使用したマイナンバーが残っていないか
・変数にマイナンバーが含まれていないか
・仕様が似ている部分、使いまわしの部分は漏れなくチェックしたか

などのチェックポイントが考えられますね。

また、システム障害が起こったりして普段と違う運用になった時も危険です。

罰則が強化されていますので、業務フローについては必ず見直しをしてくださいね。