税金がごまかせなくなってしまうマイナンバー制度ですが、そもそもマイナンバー導入メリットは、手続き全般と管理業務が簡単になることにあります。その特徴を生かした節税対策をご紹介します。
マイナンバー制度があれば節税しやすくなる?
社会保障・税に関する行政の手続で添付書類が削減されることやマイナポータルを通じたお知らせサービスなどによる国民の利便性の向上です。
節税対策がしやすくなるかの質問の答えは、
間接的にはYESです。ただし、条件を満たす人の場合に限られます。
マイナンバー制度は本来、各種の手続きをスムーズにおこなうための制度なので
これを利用して、資産管理会社を設立し、不動産物件の管理を行うと節税できます。
家族をこの資産管理会社の役員に指定出来て必要経費が落とせるようになります。
それでは詳しく見ていきましょう。
資産管理会社設立で節税できる??
資産管理会社って何??
この資産管理会社とは、主に不動産投資や金融資産投資などの管理を行う事をその目的とし、設立(=法人化)される会社のことをいいます。資産管理会社は、特に所得税や相続税の節税効果が大きいと言われ、活用されることが多いです。
特に資産家の方は、銀行等の金融機関からこの方法を提案された経験も既にお持ちではないでしょうか。資産運用が一定額を超えた場合、個人管理ではなく、会社(=法人)として管理することも検討する必要が出てきます。
銀行なので案内される方もいるみたいですよ!
資産管理会社とは、個人または家族の資産管理を目的としている会社法人をいいます。
プライベートカンパニーと言うこともあります。株式会社や合同会社といった、会社の組成形式はどのような形でも取りえますし、税制や契約面等において通常の法人と基本的には変わりません。
資産管理会社の運営形態としては、法人自ら資産を保有する直接的な形態と、個人資産の運用・管理をする間接的な形態との、主に2つの運営形態に分けられます
資産経理会社のメリットは??
本人への役員報酬や退職金が会社の必要経費(損金)になる個人の場合は、自分の給与や退職金は経費になりませんが、会社にすることで会社が個人へ支払う報酬や退職金は必要経費となり、法人税が軽減される。
一方、所得税の計算でも給与所得控除や退職所得控除が適用されるため、所得税も軽減され、トータルで税負担が減る
所得税、相続税が節税できるんですね!!
資産管理会社のデメリットとは??
法人の設立維持費用がかかる社会保険料の事業主負担がかかる
経理事務の負担が増える
資産管理会社を作ってみる??
サラリーマンである個人が、法人(資産管理会社)を立ち上げることについてはどうでしょうか。サラリーマンの収入は給与所得となるため、基本的には経費を計上することができません。給与所得控除が経費相当とみなされているためです。
となると給与所得のみの人が、法人の枠組みを用意して家計を守ろうとするためには、何らかの事業を行う主体として法人を設立する必要があります。
そこで、一般的には賃貸用不動産の取得、つまり不動産投資事業を行います。
不動産投資を法人格で行うことにより、経費計上、所得分散の点において、法人設立のメリットを享受することが可能となります。 また不動産投資は、資産運用・資産形成にもつながります。資産規模やリスクの低さを併せ考えても、サラリーマンの法人設立において不動産投資は取り組みやすい事業と言えます。
家族を会社の役員にする
さらに節税対策になります。
リタイアされたご両親や専業主婦の奥様など、課税所得が高くない方を役員にして、
所得分散効果により、払わなければならない税金の額を効果的に減らすことができます。
マイナンバーの法人番号で会社管理が簡単になる!
マイナンバー制度のメリットとしては、個人情報の一元管理による事務手続きの簡素化、事務コストの削減、所得の過少申告・扶養控除・生活保護の適正化などが挙げられています。
しかしマイナンバー制度は、これらの手続きをスムーズに行うための制度ですので、
いままで手間がかかることを理由に敬遠していた人が、
資産管理会社を設立しやすくなるかもしれませんね。
法人番号導入のメリットとして、行政の効率化、公平性・公正性の向上、企業の事務負担軽減、新たな価値の創出が期待されます。
1法人番号により企業等法人の名称・所在地が わかる・法人番号をキーに法人の名称・所在地が容易に確認可能
・鮮度の高い名称・所在地情報が入手可能となり、法人の保有する取引先情報の登録・更新業務が効率化
2法人番号を軸に企業等法人が つながる
・複数部署又はグループ各社において異なるコードで管理されている取引先情報に、法人番号を追加することにより、取引情報の集約や名寄せ業務が効率化
・行政機関間において、法人番号付で個別の法人に関する情報の授受が可能となれば、法人の特定や名寄せ、紐付け作業が効率化
3法人番号を活用した新たなサービスが ひろがる
・行政機関間での法人番号を活用した情報連携が図られ、行政手続における届出・申請等のワンストップ化が実現すれば、法人(企業)側の負担が軽減
・民間において、法人番号を活用して企業情報を共有する基盤が整備されれば、企業間取引における添付書類の削減等の事務効率化が期待されるほか、国民に対しても有用な企業情報の提供が可能
法人設立の手順
① 本社所在地などの会社設立の項目を決める② 社印を作る
③ 定款の作成と認証
④ 登記書類の申請と申請
⑤ 会社設立
資産管理会社を設立する際の注意!
ただし法人を設立すると、設立時にコストがかかること、毎年一定の費用が発生していくことを考えておかねばなりません。節税効果を考えたにもかかわらず、それ以上に法人運営のコストが発生するようであれば本末転倒となってしまいます。
前段で提案した、不動産投資も、個人のままで行ったほうが有利な場合があります。
法人設立の効果が、ご自身にとってどういう意味をなすかをデザインした上で法人を作らなければなりません。