廃棄できないマイナンバーの保管方法

企業の中には様々な事情によって廃棄できないマイナンバーもあるでしょう。使わなくなったマイナンバーは速やかに破棄しなければいけませんが、こういった廃棄できないマイナンバーはどう扱えば良いでしょうか?

マイナンバーは法廷保存期間を過ぎると速やかに破棄しなければならない

7年が法廷保存期間とされている

個人番号関係事務を処理する必要がなくなった場合で、所管法令において定められている保存期間を経過した場合には、個人番号をできるだけ速やかに廃棄又は削除しなければなりません。なお、廃棄が必要となってから廃棄作業を行うまでの期間については、毎年度末に廃棄を行う等、個人番号及び特定個人情報の保有に係る安全性及び事務の効率性等を勘案し、事業者において判断してください。(2015年9月回答)
マイナンバー制度とは~どう対応すればいいのか~ - マオ社労士事務所(東京都北区) (28458)

政府の指針では、退職者のマイナンバーは最長でも退職後7年以内に廃棄することが求められています。これは、扶養控除等申告書などのマイナンバーを記載した書類の法定保存期間が7年であることから来ています。
つまり、マイナンバーを保管したデータだけでなく、マイナンバーが記載された書類もすべて破棄(またはマスキング等で復元できない状態にして保管)しなければならないことに注意が必要です。
削除・廃棄の記録を保存する必要もあります。また、廃棄等の作業を委託する場合には、委託先が確実に削除・廃棄したことについて、証明書等により確認することも必要です。
マイナンバーはその他の関係法令の規定により保管することが求められています。マイナンバーに関する主な書類の保管期間についてみていきましょう。

・扶養控除申告書、配偶者特別控除申告書保険料控除申告書→7年間
・住宅借入金等特別控除申告書→7年間
・源泉徴収票→7年間
・雇用保険関係書類や4年間
・労災関係の書類→3年間
・健康保険・厚生年金保険に関する書類→2年

廃棄する場合には廃棄したことの証明を取りましょう。

マイナンバー セキュリティ対策のポイント ④ (28477)

削除または廃棄した記録を保存することが義務化されていることも重要なポイントです。どのデータ、どの書類を削除もしくは破棄したのかを記録として残しておかなければならないという決まりになっています。書類の破棄やデータの削除を第三者に委託した場合は、委託先から破棄または削除した証明書を提出させる必要があります。
廃棄方法ですが、ガイドラインによると、復元出来ない手段で削除または廃棄することが求められています。

例えば紙などの種類は、シュレッダーをかけることがそれに当たるでしょう。また焼却や運送会社が手がけている溶解処理を利用することも考えられます。外部に廃棄を委託する場合は、委託先が確実に削除、廃棄したことを確認するため、証明書等をもらうことを忘れてはなりません。

廃棄できないマイナンバーとは?

連絡が取れなくなってしまった顧客、訴訟中の案件のマイナンバーなど、会社にとって様々な事情で廃棄できない場合があるようです。
会社によっては、訴訟などの対応のために、個人情報を保管し続けたいという場合があります。

マスキングすることによって保管も可能

マイナンバーを長期間保存しておけばおくほど、情報が漏えいする危険性も高まります。
速やかに破棄しなければならないと知っているものの、訴訟の関係上や会社の事情によっては廃棄できないマイナンバーもあるでしょう。
そういった場合にはマイナンバーなどの個人情報が記載されている部分をマスキングすることで保管することもできるようです。
【上関原発】県と中電のやり取り黒塗り - スナメリチャンネル (28476)

マイナンバー部分を復元できないようにマスキングまたは削除した上で、当該書類の保管を続けるという方法もあります。
実務的な問題から書類を保管しておきたいという企業もあるかもしれません。
そういった場合も心配は無用です。廃棄しなければいけないのは、あくまでも「マイナンバーが記載されている部分」だけです。該当箇所に復元不可能なレベルまでマスキング処理をしたり切り取ったりなどすれば、書類の残りの部分の保管は認められています。
マイナンバー部分を復元できない程度にマスキングや削除するなどして「特定個人情報」から「個人情報」に変換することにより、保管し続けることは可能です。

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