災害対策について【マイナンバー】

社会保障、税と並びマイナンバーの3本柱として挙げられている災害対策。政府の意図、具体的にどんなことが想定されているのか、などをまとめてみました。

ツイッターで挙げられていた疑問

「災害対策」の内容を知っている人が少ないようです。

まず、政府の意図を防災白書から抜粋します

平成26年版 防災白書|第1部 第1章 第3節 3-3 被災者支援対策 – 内閣府

平成26年版 防災白書|第1部 第1章 第3節 3-3 被災者支援対策 - 内閣府
(1)避難行動要支援者の避難支援等
(2)被災者台帳
(3)避難所における良好な生活環境の確保等
(4)災害救助法、災害弔慰金の支給等
(5)被災者生活再建支援法
 <1> 被災者生活再建支援法
 <2> 災害に係る住家の被害認定等
(6)被災者支援に向けた今後の取組

※見出しのみを抜粋しました。本文はリンクからご覧ください。

災害時に起こる問題点

状況が把握できない!

状況が把握できない!

①安否情報の速やかな収集と提供
前述のとおり、大規模災害においては被災地の多くの住民にとって最大の関心事になる。
②避難所運営を行うための基礎的な情報の不足
人数、性別、年齢構成などの情報が円滑な運営に欠かせないが短期間に掌握するは困難。また、避難者の人数は時々刻々と変わるので、把握が難しい。
③他市町村へ移動した住民への対応
他の市町村に移動すると住所の把握が困難になり、元の市町村の情報を伝達するのが難しい。
安否確認、避難者の構成確認、避難先との連携が問題となりました。
(2)安否情報の提供
■津波の被害が大きい地域ほど、携帯電話などの通信手段が使えなくなったので、多くの
被災者が避難所などで家族を探し回ったり、張り紙をして連絡を取ろうとした。被害が大
きい地域ほど自治体も被害を受けており、自治体としての組織的な情報の収集発信に
時間を要した。
■避難所に多数の住民が避難し、食料調達など多種多様な業務が同時に発生したため、
当初から組織的に避難者の情報を収集することが難しかった。
■避難所で住民の申請、公表への同意を得て、避難者情報を収集し、HPで公開した自治
体があった。
自治体ごとに独自の対応となったことが不満へと繋がってしまいました。
当然、免許証やパスポートといった身元証明書や、印鑑、預金通帳、キャッシュカードといった預金の引き出しに必要なものを持ち出す時間はなく、あるいは消失、紛失された方も数多くいらっしゃったという。避難先で行政サービスを受けたり、金融機関から預金を引き出そうにも、「自分が誰であるか(身元)」を証明できなければ、被災者支援を受けるどころか、自分の預金を引き出すことさえ難しかったことは記憶に新しい。
また、援助を受けようにも本人確認ができないといった問題がありました。

災害時のマイナンバー活用方法

必要な人に必要なものを。把握ができれば対策が立てられる

必要な人に必要なものを。把握ができれば対策が立てられる

センターのデータベースに形質情報を保管しておき、被災者が申告した氏名、生年月日を元にデータベースから形質情報(顔写真)を検索し、目の前の被災者と照合することで、その被災者の身元を確認することができるはずである。
遠隔地でデータを保管していれば、確認ができ、成りすましも防げます。
また、早急に援助する必要がある人のリスト化もできます。
マイナンバーカードを活用した安否情報及び避難所運
営情報の取得
①避難所にカードリーダとPC程度を用意しておけば、同意の上
カードを携帯している住民の情報取得は容易。
②どの程度の人間がカードを携帯することは不確定であるが、
訓練時でのカード携帯者や不携帯者のデータなどを参考に
すれば、精度を上げることは可能
③本人同意の上での避難者情報の公開や避難所ごとの人数、
年齢構成などの推計データの把握が可能。
④避難所移動時にカードにより、入退所の登録をすれば、より正
確な避難所ごとのデータ把握が可能。
⑤市町村ごとに避難者台帳を作成することとなるので、これを
ベースに被災時の自治体から連絡が可能になる。
行政側の解決できる課題が挙げられています。

海外では災害援助に番号が利用される

災害時の成りすまし対策が必要

「本人ですってば」

「本人ですってば」

なお、電子行政先進国と言われている韓国では、当初住民登録番号(韓国版マイナンバー)を身元証明書に記載していたが、なりすまし問題が頻発したため、2013年より住民登録番号の記載を取りやめ、券面番号のみを記載する方針である。にもかかわらず、マイナンバー法案では、先に書いた通り「マイナンバーを個人番号カードに記入し、その個人番号カードを身元証明書として使用する。」ことが前提として議論されている。
韓国の先例です。災害時に本人確認ができないことを逆手に取り、成りすましが生じるのは防がなければなりません。

まとめ

「災害対策」がうたわれているのにも関わらず、その内容があまり知られていませんでした。

マイナンバーに反対している方も、助け合いのために使われることを知ると、見方が変わるかもしれませんね。